【要約・感想】ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー|差別と多様性について考える

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の要約・あらすじ・15人の読書家の感想をご紹介します。

「多様性っていいことなのかな？」
「思春期の息子と向き合うヒントがほしい」

そんな方におすすめしたい本が「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」。

本書はブレイディみかこさんと息子さんの実体験を元にしたノンフィクション作品。多様性が叫ばれる今、読んでおきたい一冊です。当記事を読めば本書のあらすじが理解できますので、気になる方はさっと目を通してみてくださいね。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」とは

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は新潮社によって2019年6月21日に出版された、ブレイディみかこさんの著書です。

本の詳細	内容
タイトル	ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー
著者	ブレイディみかこ
出版社	新潮社
発売日	‎2019/6/21
ページ数	256
言語	日本語
寸法	18.8cm x 12.8cm x 2.5 cm
ISBN-10	4103526815
ISBN-13	978-4103526810

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の要約・あらすじ・まとめ

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の要約・あらすじ・まとめをご紹介します。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のあらすじ

著者であるブレイディみかこさんが、息子「ぼく」の日常を描いたノンフィクションエッセイ。市内1番の進学小学校に通っていた「ぼく」が元底辺中学の環境でいろいろな問題に向き合い、両親とともに乗り越えていきます。

「ぼく」がぶつかる問題は自分の問題として考えさせられます。

大人にとっても難しい問題が、わかりやすく書かれているのが特徴。出てくる問題は重たいですが、読んでいて気が滅入るような暗さはなく、爽やかさすら感じられます。

いろんな考えを持つ人とともに生活していく術も学ぶことができます。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のポイント

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のポイントは以下の通りです。

各ポイントについて、要約を解説していきます。

「ぼく」と多様性

世の中にはいろいろな人がいます。多様性という言葉は良い意味で使われることが多いです。しかし、周りの人に嫌な思いをさせる特質を持っている人も存在します。

イギリスで暮らしている「ぼく」と著者は、迷惑な特質を持っている人にもたくさん出会います。

「ぼく」は性質のことなる人たちが集まる環境に身を置いています。その上で、多様性はいいことのはずだと考えているのです。

しかし著者は、彼に向かって多様性はないほうが楽だと言います。

多様性があることは楽じゃない、でもそれが何故いいことなのか、と疑問を持つ「ぼく」。

その答えに気づけるかが、この世界にうまく適応できるかの分かれ目になります。

多様性はないほうが楽。では、なぜ多様性があるほうがいいのでしょうか。

レイシズム問題

レイシズムとは

人種間には優劣が存在し、優れた人種が劣っている人種を支配するのは当然の権利であると考える主義のこと。

「ぼく」と著者は日本でこの問題を体験します。「ぼく」は日本語が話せず、基本的に英語で会話をしています。

ある時、一家は著者の日本の実家に帰省して、祖父もいっしょに料理屋で食事をしていました。そこにいた酒に酔っている中年男性が、日本語で話していない「ぼく」を見てレイシズム的な発言をします。

日本にも、残念ながら差別的な発言をする人はいます。レイシズムは日本においても真剣に取り上げるべき問題なのです。

差別と無知

差別問題について「ぼく」と著者は向き合います。著者いわく、差別をする人は無知。

「ぼく」が道に立っていると、突然、差別的な言葉を投げかけられます。その言葉は著者も言われたことがある言葉。「ぼく」はただ驚き、著者と話しあうのです。

何も知らない人間が行う、差別的行動について考えてみましょう。「知らなかったからといって許していいのか、知らなかった人間が知ることで何が変わるのか、自分達は知ろうとしているのか」など、おおくの問題が浮きあがってきます。

まとめ

本書には深刻な問題が描かれています。

アイルランド人の父と日本人の母を持つ「ぼく」だからこそ気づけるような事柄が、ハッとするような表現で取りあげられています。

著者と「ぼく」が問題を乗り越える過程から、学べることがたくさんある書籍です。

読む前は気づけなかった問題と、その受け入れかたを知ることができます。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」に関連する動画

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」に関連する動画をご紹介します。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の要約動画

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」は、中田敦彦さんのYouTube大学でも取り上げられ、2回に分けて紹介されています。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の感想・批判

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の読者15人の生の声をご紹介します。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」はこんな人におすすめ！

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んだ方が「こんな人におすすめしたい」と思ったのは下記のような人です！

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」はAmazonで買える？試し読みは？

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「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のよくある質問

ノンフィクション作品「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」のよくある質問をまとめてみました！

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の主人公は誰？

主人公は「ぼく」。「ぼく」は著者ブレイディ・みかこさんの息子さんです。

中学一年生で、イギリスのブライトン市で暮らしています。キャラクターは、学校ランク第1位の公立小学校で生徒会長をしていたような”いい子”です。

あらすじもご参照ください。

〔考察〕本書の魅力って？

たくさんの人に読まれている本書の魅力を考えていきます。

「ぼく」のキャラクターが魅力的

「ぼく」は、どんな状況でも自分らしさを失わず、真っすぐ物事をとらえることが出来る子です。優しく思いやりもありますが、差別的なことを言う同級生には注意をする強さも持っています。

そんな「ぼく」の言動には大人もハッとさせられます。

母と息子の成長物語

著者のブレイディみかこさんが、第三者としてではなく｢ぼく｣とともに問題を受け止め、一緒に模索している点も魅力の一つです。

子供に寄り添い、ときには｢ぼく｣と違う意見を持ち、対立もします。問題を乗り越えようと奮闘する二人の姿は読んでいて活力をもらうことができます。

社会問題を身近に感じれる

日本では身近に感じにくいイギリスの社会問題ですが、ぼくの視点を通すことによって、個人の問題として捉えることができます。

イギリスの教育事情も知ることができますよ。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の印象に残った場面は？

印象的な場面は

「いや、グリーンって、もちろん『環境問題』とか『嫉妬』とかいう意味もあるけど、『未熟』とか『経験が足りない』とかいう意味もあるでしょ。僕はいま、そのカラーなんだと思う」

引用元：ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

と｢ぼく｣が著者に言う場面です。

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」はもともと｢ぼく｣がノートに走り書きしていたもの。

　イエロー　＝　黄色人種
　ホワイト　＝　白人
　ブルー　　＝　憂鬱

上記のようなニュアンスです。

”ブルーだったけと今はグリーンだ”と多種多様な問題を乗り越え、｢ぼく｣が著者にいいます。

「まだまだ僕達これからだよ～！」と前を向き始めた感じがして胸が打たれました。

続編、「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2 」とは？

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の約2年後に待望の続編が発売されました。

「ぼく」も13歳になり思春期を迎えています。

”1”と違う点は「ぼく」が親に頼っていないこと。目線が大人に近づいているため、感動ストーリーを期待して読むと”1”の方が良いと思うのかもしれません。

「ぼく」の真っ直ぐで理知的な視点を通して社会問題を考えるのは”1”同様とても面白いです。続編ではありますが、ストーリーは独立しているため、続編から読み始めても十分楽しめる内容です。

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