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耳なし芳一のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと簡単に内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
耳なし芳一のあらすじ①
盲目の少年、芳一はお寺に勤める身であり琵琶法師という立場でお寺に奉公していました。
ある時、芳一を呼ぶ声が聞こえますが、芳一は盲目であるが故、その姿を見ることができません。芳一は自分は目が見えないことを相手に伝えます。
すると、相手は自分は侍であり、芳一という人物を探していて、お殿様から、琵琶法師が語る物語についてぜひとも聞かせてほしいということで参ったのだと説明を受けました。
当時お侍さんの命令や申し出を断ることはできない時代でした。芳一は自分の語る物語についてお殿様がぜひとも聞かせてほしいというのであるから、断ることはできず、お侍さんの申し出を受けてお城へと向かっていきます。
無事お城についた芳一ですが、周りの様子を見ることは盲目故できず、老人のような女中に案内されるがまま白の内部を行き来し、お殿様のもとに案内されました。お殿様は芳一にさっそく弾き語りをさせ、壇ノ浦合戦の弾き語りを行います。
すると、辺りは戦場のような臨場感にあふれ、その場にいたお殿様はもちろんの事高貴な身分の方たちも芳一の奏でる演奏及び、物語に酔いしれていきます。お殿様はとても芳一を気に入り、芳一に対して、7日間夜の間のみ、演奏会をしてほしいのだとお願いを申し出ましたが…
耳なし芳一のあらすじ②
ある寺に、芳一という琵琶の引き語りが達者な若者がいました。
ある時、どこからともなく武者が現れると、自分が仕える貴人に平家物語の演奏を請われるまま、毎夜引き語りに連れられて寺を出るようになりました。盲目の芳一には姿こそ見えなくても、あたりのざわめきが手に取るようにわかります。
いつの夜も、所望されるのは平家物語の壇ノ浦のくだりで、芳一の演奏に感嘆し、すすり泣き、その反響に芳一も内心驚きを隠せません。芳一は、このことを多言しないよう口止めされていました。
お寺の住職は、芳一が毎夜寺を一人で抜け出すと明け方戻ってくることに気付き、怪しんで寺男に後をつけるよう申し付けました。すると、芳一が墓場で無数の鬼火に囲まれながら琵琶を演奏している姿を見つけ、飛び上がって驚くと必死に芳一をその場から引きずるようににして逃げ帰りました。
住職が芳一を問いただすと、芳一が貴人と思っていたのは平この辺りに出没している平家一門の怨霊であることが判明しました。
このままでは芳一の命が危ないと危惧した住職は、お経を芳一の体上中に書き込むと、これで武者の霊にはお前の姿は見えないと伝えました。もう二度と武者についていってはいけない、声をかけられても一切答えず一晩中じっとしているように教えました。
あいにく住職は、肝心な今晩は用事があり、寺を不在にするのでした。たった一人で、お堂の中に座っている芳一にまた今夜も武者が現れましたが、体一面に書かれたお経の力により芳一の姿が見えません。
悔しがって荒ぶる武者の怨霊は、なおも空中に浮かぶ唯一お経が書かれずに残った芳一の耳を引きちぎると、証拠として持ち去っていきました。
翌朝、ようやく戻った住職らに発見された芳一は、命はとりとめたものの耳がもぎ取られた血まみれの姿でした。
耳なし芳一の全文は書籍で読めます。子供でも読みやすい本なので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
「耳なし芳一」の感想・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
30代男性
怪談話が元なので、怖いなあということを除いたうえで感想を言いますと、芳一さんを死者の国に連れて行った場合お侍さんって、どういう扱いを受けるのだろうかというのが気になる部分で、お殿様は毎回芳一が演奏する音楽のほか、物語を聞いて飽きないのかな?という疑問が私が感じた点です。つまり、幽霊って、怨霊化した場合、時代に取り残されてしまうという考えがある場合、芳一さんを連れていく利点はわかりますが、それでも何回も同じ物語を聞いていると人間飽きが来ませんかというのが私が思った感想でこれだったら、ダンテの新曲のように地獄と現実を行き来するほうが良いのでは?と思いました。
50代女性
「耳なし芳一」は、子供心に非常に印象的で記憶に残る昔話の怪談でした。 ほとんど仏教の教えを知らない子供であっても、お寺や住職、お経の凄さやありがたさを感じ、無意識に根強く刷り込みが行われています。 刷り込みと言うと言葉は悪いのですが、このような長く日本全域で語り継がれてきた民話には、文化や宗教のすべてが詰まっており、何かの拍子に表面化します。 現代人でも何か怖いことがあったら、お経に日本人は頼るはずです。 この話を聞いた当時は、耳だけ書き残したらこうなった、という点が怖ろしくも惜しい事だとつくづく思ったものです。
「耳なし芳一」の教訓・伝えたいこと
耳なし芳一を読んだ人に、この本が伝えたいことや教訓を考えてもらいました。
教訓①
事前確認が重要。特に、責任者という立場の人物は自分できちんと確認するべきという教訓が読み取れます。大事な作業を他人にすべて任せていてはだめで、他人に重要なことを任せた結果、事故が起きたのです。つまり事前確認、それも現場を監督する人物の事前確認の重要性を説いています。
教訓②
凄惨な滅亡をした平家一門の怨霊は、今も長きにわたって祟り怖ろしいものです。目が見えない者は、時として怨霊が相手でも気づかずにとり殺されてしまいかねません。
「耳なし芳一」の怖いところは?
耳をちぎられてしまう場面が怖い
何と言っても、お経が書いてなかった耳が怨霊の目に入り、ちぎられて血まみれになる場面が怖いです。
また、芳一本人ではなく、芳一本人と確認できる耳だけでもよいので連れて行こうとする怨霊の執念のようなものが恐ろしいと言われています。
墓場で演奏している場面
芳一が琵琶の名手で、どのような人や怨霊であっても感動したり、演奏を聴きたくなるのは分かります。しかし、墓場で怖ろしいほど無数の鬼火に囲まれている姿は、とにかく怖い情景で、時を隔ててもありそうでリアルです。
小泉八雲の「耳なし芳一」と元ネタの違い
小泉八雲の耳なし芳一の元ネタは江戸時代後期に刊行された一夕散人(いっせきさんじん)の怪談奇談集読本「臥遊奇談(がゆうきだん)」の第2巻「琵琶秘曲泣幽霊(びわのひきょくゆうれいをなかしむ)」です。
大きな相違はなく、むしろ他地域で語られている民話で、芳一の名前が違っていたり、寺が尼寺であったりと微妙に内容が違います。同様な昔話は日本のあちこちで語られる民話があり、「耳切り団一」など徳島の話もありますが、非常に理路完結明快に編集し、わかりやすい物語にまとめ上げられています。
元ネタの民話の一例を紹介
元ネタとなる民話のひとつを紹介します。
うんいちという琵琶法師の弾き語りの人が、死人の尼さんという僧侶の女性に死者の世界に連れていかれそうになるというお話。耳が無くなる以前にハラハラする内容で、死者の女性に連れていかれちゃうの?という話です。
ちなみに、うんいちという琵琶法師はものすごくまじめで、尼さんの異様な積極性についてものすっごく難色を示していたり、この人なんか怪しいと初めから思ってたりします。
耳なし芳一の基本情報
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | 耳なし芳一 |
カテゴリー | 怪談 |
作者 | 元は民話のため不明。怪談の小説:小泉八雲 |
発売日 | 1904年 |
ページ数 | 50 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4901129805 |
ISBN-13 | 978-4901129800 |
耳なし芳一は民話であり、小泉八雲が怪談として取り上げたのをきっかけに広く世の中に知れ渡りました。
耳なし芳一の英語版書籍
小泉八雲の耳なし芳一は英語版の書籍もあります。上記の書籍は耳なし芳一だけでなく、全8編の怪談を収録しています。
耳なし芳一のあらすじ、ネタバレのよくある質問
耳なし芳一のよくある質問に回答します。
「耳なし芳一」の映画・アニメ・ドラマなどの関連動画
「耳なし芳一」の映画・アニメ・ドラマなどの関連動画をご紹介します。
1964年に映画「怪談」の中で耳なし芳一が映像化されています。
「耳なし芳一」はまんが日本昔ばなしでアニメ化されました。
また、ドラマ化もされています。フジテレビ系の「怪談百物語」の第五回で放送されました。
他にも、朗読やアニメ、解説動画などがYouTubeにあります。気になる方はチェックしてください。
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