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よだかの星のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと簡単に内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
よだかの星のあらすじ①
よだかはとても醜い鳥です。顔はまだら模様で嘴はひらたくて耳まで裂けていて、よぼよぼ歩きます。他の鳥たちはよだかを見るとあからさまに顔を背けたり、「鳥の仲間のつらよごし」だの「カエルの親類」だの悪口を言ったりいじめていたのでした。
よだかは名前に「たか」とつきますが鷹の仲間ではなく、美しいカワセミやハチスズメの仲間なのです。よだかには鋭い爪や嘴もなく、羽虫を食べて生きていました。
鷹はよだかに「たか」の名前がついていることを非常に嫌がり、よだかの顔を見るたびに「早く名前をあらためろ」とうるさく言うのでした。
ある日、とうとう鷹はよだかの家までやってきて、「早く名前を変えて鳥仲間の家を一軒一軒まわって改名したことをみんなに言え。そうしないとつかみ殺してしまうぞ。」と脅しました。よだかはとても悲しくなりました。そして、家を飛び出しました。
口を大きく開けたまま飛んでいると、カブトムシが1匹よだかの口に飛び込んできたのでそれを飲みこんでしまいました。
「たくさんの虫が僕に食べられて殺される。そして僕がこんどは鷹に殺される。こんなにつらいなら僕はもう虫は食べない。遠くの空へ行ってしまおう。」そう考えたよだかは弟のカワセミにさよならを言い、旅立ちました。
よだかは夜空をどこまでも飛んでいきました。飛んでいくうちによだかはとうとう力尽き、青く美しく輝く星になりました。
よだかの星のあらすじ②
よだかは外見の醜さから、美しい川せみや蜂すずめの仲間にもかかわらず、他の鳥たちに嫌われ馬鹿にされていました。飛んでいる姿が鷹に似ていた所からよだかと名付けられました。
鷹には名前を変えろ、鷹という名前を使うなと強く迫られていました。鷹ではなく「市蔵」にしろと言われていました。鷹に名前を変えなければ殺すとまで言われました。
よだかはなぜ皆に嫌われるのか多角的に考えました。苦悩した挙句つらいという感情で空を飛び回りました。その間もよだかの口の中には小さな虫が入って殺されていくのでよだかはつらさが増し、さらに空を泣きながらぐるぐる回るのでした。
よだかは飛び回りながら、飢えて死のう、その前に鷹がよだかを殺す、遠くへ行ってしまおうなどと考えていました。世高は川せみの所へ行き、必要以上に魚を取らないことと自分は遠い所へ行くと告げました。
川せみは止めましたがよだかはなきながら別れを告げました。夜が明けてお日様に焼け死んでもよいからあなたの所へ連れて行ってほしいと頼みましたが、日中の鳥なので星に頼んでごらんと告げられました。
オリオン星・おおいぬ座・大熊座・鷲の星などにあなたの所へ連れて行ってほしいと飛んで行って頼みますが身分・お金がないこと、冷静になってみよと諭されるなどしてすべて断られました。
よだかは目に涙を浮かべながら地面に倒れ、そのまま地面に倒れました。そしてカシオペア座の横で青白く光る星になりました。今でも光り続けています。
よだかの星の全文は書籍で読めます。宮沢賢治の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
いじめや自己犠牲を考える「よだかの星」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
40代女性
「よだかの星」は宮澤賢治の代表作の一つです。醜いからというだけで鳥の仲間たちから嫌われてしまったよだか。自分の居場所を見つけられずに悲しむ様子が、宮澤賢治の透明感のある美しい文章でつづられていて、読んでいると切なくなってきます。よだかは鷹の脅しに怯えつつも自分の命もたくさんの羽虫たちの犠牲の上にあるのだということにやるせない気持ちになるのですが、この部分を読むと私自身の命もいろんな命の犠牲の上に成り立っているのだということに思い至り、命のありようについて考えさせられます。
50代女性
外見によって世間の人は差別をしたり偏見を持ったりする傾向がありますが、人間以外の世界にもあることがわかりました。いじめる側はいじめられる側の苦しみがわからない点で人間の世界と同じことをを反映していると感じました。また、生きとし生けるものすべては生きていくために何かの命を犠牲にしなければ生きていけないことも改めて思い知らされました。ベジタリアンの宮沢賢治も植物の命を多く食べて生きていたので、食物連鎖を断ち切ることはできないと思いました。この点に苦悩したよだかは純心だと思いました。
よだかの星で作者が伝えたかったことは?
よだかの星を読んだ人に、この本が伝えたいメッセージを考えてもらいました。
伝えたいこと①
よだかは自分が鷹に殺されてしまうことを考えると怖くなってしまいます。その一方で自分は毎晩たくさんの羽虫たちを食べていることを思い、つらくなってしまうのです。いろんな命の犠牲の上で生かされている命、宮沢賢治は命の尊さを伝えたかったのだと思います。
伝えたいこと②
生きとし生けるものは何かの命をいただかなければ生きていけない。弱肉強食かつ食物連鎖の世界はそのようなものであり、命を食べることが残酷と考えると飢え死にしてしまうゆえに食事をする時には感謝に心を忘れないで欲しいことです。
伝えたいこと③
よだかが赤から青の光に変化したということは、感情の高まりや葛藤がおさまり落ち着いた、悩みから解放されたことを表していると思いました。さらによだかが今も輝き続けていることは命が尊いものだということを伝えたかったのでしょう。
伝えたいこと④
いじめによるいじめられているほうの苦しさも表しており、いじめはするものではないことも伝えたかったと思いました。
伝えたいこと⑤
他人は外見・お金の有無・社会的地位で格付けし、親身になって悩みや相談に乗ってくれる人はまれということ、自分で判断し生き抜く力が必要なことも伝えたかったと思いました。
よだかの星の魅力
よだかの星の魅力を解説します。
鷹に殺されてしまうかもしれない恐怖に怯えつつ、自分が生きるためにたくさんの羽虫を食べてしまっていることを考えて、それでも泣きながら羽虫を食べてしまうよだかの生き方。当たり前のことに気づき悩み苦しんでいる心が純心で魅力的です。
また、宮澤賢治独特のリズムでつづられる透明感のある文章がこの作品の魅力です。
よだかの星の名言や印象に残った場面
よだかの星の名言や印象に残った場面を紹介します。
印象に残ったのは「そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。今もまだ燃えつづけています。」という言葉です。
また、「ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕がこんどは鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。ああ、つらい、つらい。僕はもう虫を食べないで飢えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いや、その前に僕は遠く遠くのそらの向こうに行ってしまおう。」とよだかがつぶやく場面が印象に残りました。
よだかの星の基本情報
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | よだかの星 |
カテゴリー | フィクション |
著者 | 宮沢賢治 |
発売日 | 1934年 |
ページ数 | 27 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4039633806 |
ISBN-13 | 978-4039633804 |
よだかの星の英語版書籍
よだかの星は英語版の書籍もあります。
よだかの星のあらすじ、ネタバレのよくある質問
よだかの星のよくある質問に回答します。
「よだかの星」の映画・関連動画
「よだかの星」の映画・関連動画をご紹介します。
「よだかの星」は映画化されています。原作を基にした映画「よだかのほし」の予告動画は次のとおり。
また、読み聞かせ・朗読動画などがYouTubeにあります。気になる方はチェックしてください。
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