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車輪の下のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや中学生の読書感想文にもぜひお役立てください。
車輪の下のあらすじ①
「車輪の下」はドイツの小説家・ヘルマン・ヘッセの小説です。ドイツ文学の中でも有名な1作だと思います。
小説の主人公は頭が良く勉強ができる少年ハンスです。周囲と比べてとても優秀だった彼は、周りの期待に応えてひたすら勉学に励みます。その結果、当時優秀な者だけが通える神学校の入学試験に合格できました。
神学校に通い始めたハンスは学校の中でも優秀な成績で、そこでも大きな期待を掛けられます。厳しい神学校の中で彼はやはり勉強を頑張りますが、そんな勉学漬けの生活に疑問を抱くこともありました。頭痛やめまいなど、体調も崩しがちになります。
また、神学校の寄宿舎では、同室のハイルナーという学生と生活します。詩が好きなハイルナーと、ハンスは仲良くなります。
ハイルナーはあまり真面目な学生ではありませんでした。彼と過ごすことでハンスの成績も下がりがちになり、周りからの評価も悪くなっていきました。
ある時ハイルナーは問題を起こした後に退学します。親しくしていたハイルナーがいなくなり、ハンスも体調をさらに崩して、学校を退学して実家に戻ります。
実家に戻ったハンスは療養生活を送り、上手くはいきませんでしたが恋愛も経験しました。しばらくして、ハンスは機械工として働き始めます。しかし、同じく機械工として働く幼馴染と飲みに行った帰り、川に溺れて死んでしまいます。
車輪の下のあらすじ②
「車輪の下」は、ドイツの作家ヘルマン・ヘッセによって書かれた小説で、1905年に出版されました。周囲の人々からの期待を背負ってその軋轢に押しつぶされていく少年の姿が描かれています。
これはヘルマン・ヘッセ自身の少年期の自伝的な小説にもなります。ヘッセ自身も詩人になりたいという思いをいだきながらノイローゼになり神学校を退学になったという経験があるそうです。ハンスという主人公を通して少年期の孤独というのが描かれています。
町の商店の息子・ハンス・ギーベンラートは神学校に2番という優秀な成績で入学します。一方、入学後も勉強漬けの日々でハンスは体調不良に陥ります。
本著にはハイルナーという誌を好む不良少年が登場します。彼はハンスにとって「夢」や「自由」の象徴です。ハンスがハイルナーにキスをされる場面があるのですが、これはある意味ハンスの今後の破滅を暗示する美しいシーンです。
この友人との関係にも徐々に亀裂が生じます。ハイルナーが放校処分になり、彼に影響を受けたハンスも成績が最下位に落ち、体調を崩し退学します。
その後、ハンスはエンマという娘に恋をしたり、機械工として再出発を決めたりと再出発を果たします。一方、エンマにはハンスは見限られてしまいます。彼の優柔不断な態度にしびれを切らしたからです。
ようやく今後の道を見出し始めていたハンスでしたが初任給をもらった夜、酔っ払って帰る途中に川に落ち息絶えました。
車輪の下の全文は書籍で読めます。ヘルマン・ヘッセの世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
つまらない?「車輪の下」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
20代女性
この小説は、読んでいて辛くなってしまいました。主人公が努力して周りの大人の期待に応えると、大人は更に期待を掛け頑張るようにしむけます。その状況はとても苦しく感じられます。また、途中で主人公が限界になり鬱のような症状になった場面や、挫折して地元で嫌な思いをする場面、主人公が死んだ後の大人たちの反応など、とてもリアリティがあります。周りの期待によるプレッシャーや、それに対する不満や疑問、一方でそれに上手く答えられなかった自分に対する失望感など、とても共感できました。
30代男性
「車輪の下」は、ドイツの作家ヘルマン・ヘッセが書いた小説の一つで、主人公のハンスの物語を通じて、人生や人間性について深い洞察を与えてくれます。私がこの小説を読んで感じたのは、他人の期待に答え続けることが他人や自分自身を幸福にすることではないという教訓と自分の欲望を押し殺してはいけないということの重要性です。本書ではハンス自身も神学校で2位の成績を収めたことを喜んでいます。一方、不仲だった父も成績については喜びますが、本来のハンスの生き方や愛情に応えることができないすれ違いが生じていきます。これは親の期待にこたることが親の幸福や自身の自己実現につながるものと純朴に信じている少年の心を歪めていきます。真面目に生きることだけが正しいことなのか考えさせられました。また、親の立場としては自身の期待を子に押し付ける教育をし子供を追い詰めていないか考えさせられます。
つまらないって本当?口コミの理由
ネットの口コミの中にはつまらないという声も少しありました。理由は次のとおり。
- 内容がよくわからなかった
- 暗い話で良さがわからない
- 読むのに時間がかかって飽きてきた
タイトルの意味や当時の時代背景を知ってから物語を読むと、違う見方ができて面白いですよ。
車輪の下で伝えたいこと
車輪の下を読んだ人に、この本が伝えたいことを考えてもらいました。
伝えたいこと①
過剰な期待を掛けると子どもの可能性を潰してしまうこともある、ということが、「車輪の下」の伝えたいことだと思います。周りの大人に期待されると、それに応えようと頑張る子どもも多いようです。しかしあまりに頑張りすぎてしまうと、途中で耐え切れなくなってしまいます。
伝えたいこと②
本書はヘルマンヘッセの自伝的小説です。本書は他人の期待に答え続けることが他人や自分自身を幸福にすることではないという教訓を伝えています。
ヘッセは詩人になりたいという欲求と神学校に進学して親や先生の期待に答えたいという欲求もありました。少年期のヘッセ自身の葛藤が詩的に描かれています。
「車輪の下」結末の考察
車輪の下の結末を考察します。
ハンスが川に落ちた結末について、酔った末の事故だったのか、それとも自殺だったのかは解釈が分かれます。個人的には、あの結末は自殺だったと考えます。
ハンスは機械工として新しい生活を送ろうとしていましたし、最初から自殺しようと考えていたわけではないはずです。しかしお酒を飲んで酔った状態で、ふと「死にたいな」という気持ちのなったのだと思います。
タイトルの意味と結末の関係
本書のタイトルの車輪の下とは「社会の犠牲になる」という意味合いがあります。ハンスは最終的に機械工になり歯車をつくる機械工になります。歯車を作っている間はあらゆることを忘れられましたが、最終的に川に流されていきました。
ちなみにヘッセの著書「シッダールタ」も川に流されて終わるという結末です。状況に身を任せたり、あるいは溺れていて環境において身動きがとれないという意味合いがあるのだと思います。
「車輪の下」の名言・印象に残った言葉
車輪の下を読んだ人に、名言や印象に残った言葉を聞きました。
- 「あくせく勉強して、さんざん苦労してさ、ヘブライ語のアルファベット以上のものは、何ひとつ知らないでいるんだ」 ハイルナーが神学校の学生や教師を揶揄したセリフ
- 「やれやれ、疲れた、やれやれ、くたびれた、財布はからっぽ、ポケットもからだ」神学校を退学したハンスが口ずさんだ歌
- 「あの連中も、この子をこんな目にあわせるのに、手をかしたわけですよ」ハンスを気遣っていた靴屋が、ハンスの死後父親に言ったセリフ
- 「きみはこれらの勉強が好きでもないし自発的にやっているわけでもない。そうじゃなくて先生や両親が怖いだけなんだ。一番や二番になったからってそれがどうなる? ぼくは二十番だったけど、ガリ勉のきみたちよりバカというわけじゃないよ」ハイルナーのセリフ
- 「疲れきってしまわないようにすることだね。そうでないと、車輪のしたじきになるからね」神学校の先生のセリフ
- 「あの連中もこの子をこんな目に合わせるのに手を貸したわけですよ」ラストの靴屋のセリフ
車輪の下の基本情報
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | 車輪の下 |
カテゴリー | 青春小説 |
著者 | ヘルマン・ヘッセ |
発売日 | 1905年 |
ページ数 | 246 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4102001034 |
ISBN-13 | 978-4102001035 |
車輪の下の英語版書籍
車輪の下は英語版の書籍もあります。
車輪の下のあらすじ、ネタバレのよくある質問
車輪の下のよくある質問に回答します。
「車輪の下」のドラマ・映画・関連動画
「車輪の下」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。
「車輪の下」の映画はなく、ドラマ化はされています。2016年にBS朝日「あらすじ名作劇場」のドラマでヘルマンヘッセの車輪の下が放送されました。
また、「車輪の下」の朗読や解説動画などがYouTubeにあります。気になる方はチェックしてください。
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