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注文の多い料理店のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
注文の多い料理店のあらすじ①
インテリっぽい二人の紳士が2匹の犬を連れ、地元の猟師をガイドに雇い、猟に出かけます。ところが獲物はいっこうに獲れず、山奥に迷い込んで猟師もどこかに行ってしまいます。しかも犬たちまで死んでしまい、二人は途方に暮れてしまいました。
そんな二人の目の前に突如立派なレストランが現れます。なぜこんな山奥にレストランがあるのか?最初は訝しく思う二人ですが空腹と心細さからレストランに入ってしまいました。扉を開けると注意書きがありました。「当軒は注文の多い料理店です。どうかそこはこらえてください。」。
「注文できる料理がたくさんあって選ぶのが大変ということか」、「こんな山奥なのに?盛しているんだねえ」と喜ぶ二人。さらに扉を開けて奥に進むと「髪をとかして履き物泥を落としてください」、「鉄砲と弾丸をここへ置いてください」、「帽子と外套は脱いでください」など二人への「注文」続きます。
最初は「こんなにうるさく注意するなんて、よっぽど上流階級の客を相手にしているに違いない。」と嬉々として従う二人ですが、次から次へと現れる扉と「注文」に徐々に不安を感じ始めます。
ついには「いろいろ注文が多くてお気の毒でした。もうこれだけです。どうかからだ中に壺の中の塩をもみこんでください。」と書かれている注意書きを見つけます。
二人はようやく、注文が多いというのはメニューが豊富なのではなく客に対して注文をつけるという意味であること、つまり料理を食べさせる店ではなく自分たちが料理されてしまう店だということに気づき、ガタガタ震え始めました。
次の扉の鍵穴からは黄色い目がのぞき、二人にこちらに来るように話しかけます。絶体絶命のピンチです!そこへ死んだと思った二匹の犬が現れ、立派な料理店は消えてしまい、「にゃあっ」という叫び声とともに黄色い目も見えなくなってしまいました。
二人は山猫に化かされ食べられてしまうところだったのです。そこへ道を探しに出ていた猟師も戻ってきて二人は無事に都会へ帰ることができました
注文の多い料理店のあらすじ②
英国風の身なりの2人の青年紳士が、狩猟のために山奥に出掛けていました。その最中に山のおどおどしさに恐れおののいた2匹の猟犬がショック症状で命を落としてしまいます。突然の猟犬の死に2人は悲しみに暮れるかと思いきや「2800円の損害だ」を繰り返し口にします。
猟犬を失った悲しみよりも金銭面の損失に対する怒りを覚えながら山奥を歩いていると、西洋風の一軒家を見つけます。その一軒家は「西洋料理店山猫軒」と記されており、2人は腹を空かせていたので店内へと入っていきます。
店内には「当軒は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」との注意書きがあり、2人は「流行りの料理店だから、支度が手間取る」と解釈し全く意に介していない様子。
もう一つ扉を開けた先には玄関先の注意書きの通り指示が書かれており、「髪をとかして、履き物の泥を落とすこと」との内容でした。2人はそばに置かれていた鏡とブラシを使って指示に従い次の扉を開けます。
するとまたさらに次の部屋へとつながる扉があり、そこには指示が掲示されていました。このような感じの部屋がいくつも続きますが、次の部屋へと進むたびに指示の内容もおかしくなっていきます。
少しずつ疑問を覚えつつも2人は適当に解釈して進んでいき、やがて最後の部屋へとつながる扉の前にたどり着き最後の指示を読みます。
するとそこには「いろいろ注文が多くてうるさかったでしょう。お気の毒でした。もうこれだけです。どうかからだ中に、壷の中の塩をたくさんよくもみ込んでください。」と書かれており、ようやく2人は指示の意図を理解します。
この西洋料理店は「客に料理を食べさせる店」ではなく、「来た客を料理にして食べてしまう店」だったのです。
注文の多い料理店の全文は書籍や青空文庫で読めます。じっくり読めて宮沢賢治の世界観を存分に感じられるので、ぜひ書籍を読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
「注文の多い料理店」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
40代女性
宮澤賢治の、ユーモアあふれる語り口調がとても好きです。一見子供向けの童話のように思えますが、何でもお金で価値を決めてしまうことの愚かさや、自分に都合の良い解釈で物事を判断してしまう滑稽さを皮肉った、大人でも楽しめるお話です。物語の冒頭で、死んでしまった犬たちを前に、「僕は2400円の損害だ」「僕は2800円の損害だ」と言い合う二人の間に漂う微妙な空気感の表現に、宮澤賢治の上手さを感じます。次々と現れる二人への「注文」を自分たちの都合の良いように解釈でしていく二人の紳士の会話がとてもおもしろいです。宮澤賢治の「銀河鉄道の夜」など、幻想的で美しい作品もすきですが、「フランドル農学校のブタ」や「ツェねずみ」など世の中を皮肉った作品も大好きです。「注文の多い料理店」とあわせて読んで欲しいです。
30代男性
料理店での食事を心待ちにしながら指示に従う2人の青年紳士について、料理店からの指示の内容は傍から見ればすぐにおかしいと分かりそうではあるがその一つ一つが今まで積み重ねてきた業を段階的に制裁を受けているようでとてもスカッとさせる内容でもあった。料理店に入る前に命を落とした2匹の猟犬に対しても金銭面での損失しか考えずぞんざいな扱いをする2人の青年紳士にとってはいい薬になったようでそれも胸がすく思いを受けた。
注文の多い料理店から学ぶこと・伝えたいことを考察
注文の多い料理店を読んだ人に、この本が伝えたいことを考えてもらいました。
伝えたいこと①
何でもお金で解決しようとする上流階級を気取った二人の紳士が、山猫たちに翻弄されて危うく食べられそうになるこのお話は、人間の欲深さや愚かさ、そして自分自身はそれに気づいていない滑稽さをユーモアに包んで皮肉った作品です。人間批判をしつつ、「こんなだけどどこか憎めないなあ」という人間という生き物への愛情を伝えたかったのだと思います。
伝えたいこと②
西洋料理店からの注文で自分たちが食べられに行く様を見て、今まで他の生命を大切にしなかった報いを青年紳士が受けているようでした。「生命を尊重しない行動を取れば、その報いは必ず訪れる」ということを印象付ける作品です。
ラストの考察!顔がくしゃくしゃになった理由
山猫に食べられずに済み、現実世界へ戻ってこれてハッピーエンドと思いきや…2人はくしゃくしゃになった顔が戻りません。くしゃくしゃになった理由は恐怖のあまり顔が引きつってしまった為。それほど恐ろしい体験だったのを印象付けています。
また、紳士たちは犬が死んだときにお金のことばかり気にしてました。そんな2人にふさわしいのはバットエンドだったのでしょう。紳士の人物像である人間の欲深さや愚かさに対する皮肉と受け取れます。
注文の多い料理店の基本情報|英語&小学生向け書籍はある?
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | 注文の多い料理店 |
カテゴリー | ミステリー童話 |
著者 | 宮沢賢治 |
発売日 | 1985年7月4日 |
ページ数 | 31 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4061881825 |
ISBN-13 | 978-4061881822 |
注文の多い料理店の英語版書籍
注文の多い料理店は英語版の書籍もあります。
小学生向けの書籍もあるので、低学年でも読みやすいです。
注文の多い料理店のあらすじ、ネタバレのよくある質問
注文の多い料理店のよくある質問に回答します。
「注文の多い料理店」のアニメ・関連動画
「注文の多い料理店」のアニメ関連動画をご紹介します。
「注文の多い料理店」はアニメ化されています。粘土アニメで可愛らしいですよ。
他にも朗読動画、小学生向けの読み聞かせ動画もありました。
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