本ページは広告が含まれます。私たちのパートナーのリストを公開しています。
たけくらべのあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと簡単に内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
たけくらべのあらすじ①
「たけくらべ」は明治28年に発表された樋口一葉による小説です。この作品は当時の文壇にも高い評価で迎えられましたが、一葉は結核を患っており「たけくらべ」を発表した翌年に結核で亡くなってしまっています。いくつもの名作を残しながら24歳で夭折した小説家でした。
「たけくらべ」は、遊郭である吉原を舞台に少女美登利と少年信如とのあわい恋を描いた小説です。美登利は遊女の姉がおり、子どもたちの中心のような元気な女の子です。一方信如は将来僧になって仏門に入ることが決まっているおとなしい性格の少年です。
学校で美登利が信如にハンカチを貸したことを周りの子供たちにはやし立てられたことから、2人はお互いを避けるようになります。ある日、信如は出かけた帰りに美登利の家の前で下駄の鼻緒を切ってしまいます。
その日は風雨もひどく信如は自分ではどうしようもできず困ってしまいます。美登利は家の前の信如に気づき、恥ずかしがりながらも鼻緒を結ぶための端切れを差し出しますが、信如はそれを使わずちょうど通りかかった友達に助けてもらって帰ります。
最後のシーンで美登利は髪を島田髷に結い美しく着飾っています。学友が美登利に声をかけますが美登利は元気がない様子でそれを拒絶します。信如が僧門に入った日に、美登利が悲しげに花を飾って小説は終わります。
たけくらべのあらすじ②
主人公は美登利で年は14歳際の女性です。姉が遊郭で売れっ子の遊女をしているため、学校にも行くことができるほど裕福で、学校でも人気の美人な女性です。
一方、対照的なのが、影が薄い男性の信如という15歳の男性。父が僧侶であり、いずれ僧侶の仕事をすることが運命づけられている男性です。
ふとしたことで、学校において、美登利が信如という男性にハンカチを手渡したことから、二人は付き合っているのではないかという話が持ちかかるんですが、信如側はそうした話について強い拒絶反応を示し、美登利もまた、自分と正反対の影が薄い男性である信如を毛嫌いします。
二人は、住む世界が違う上、信如は、僧侶になる道を進み、美登利もまた、遊女となる道を進むしかありません。しかし、大人になることを嫌った美登利は、以前のように学校に行かなくなり、次第にふさぎ込んでしまいます。
すると美登利の家の前に水仙を入れる人物が現れますが、その人物が誰であるかはわからなかったのです。誰がよこした花かは知らないのですが、美登利はその一輪の綺麗な水仙を大切に飾ります。
周囲から花をよこしたのは誰かを問うとどうやら、信如が美登利を毛嫌いし、邪険に扱ったことへの詫びの印であると美登利は知るのです。
たけくらべの全文は書籍や青空文庫で読めますが、上記の書籍は現代語訳で理解しやすいので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
「たけくらべ」の感想・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
20代女性
「たけくらべ」は少女美登利と少年信如の淡い恋を描いた小説です。遊女や僧になるというその当時であるからこその状況、2人の心境もありますが、現在の私たちが読んでも少年少女時代の淡い恋心として共感できるところも多く、読み終えると切ない気持ちになりました。ラストシーンで信如が僧門に入る日に花を飾って眺める美登利の気持ちを考えるととても切なくなります。私が好きなのは有名な鼻緒の切れを美登利が信如に渡すシーンです。あの年頃ならではの恥じらいが感じられてとてもかわいいシーンです。
30代男性
何とも言えない微妙な恋愛もので、比喩的な表現というかドストレートな表現がないため、おおよそ、そうだろうなという部分で読み進めていくというような感じの作品です。舞台が遊郭という場所が舞台なうえ、遊郭の遊女になる女性と僧侶の道を進む人物の淡い恋心の話になるわけですから、微妙な恋愛ものという意味合いが強い作品だと思います。微妙だと言える部分は、時代背景というものがありまして、ヒロインの女性は、遊郭の女性で、ヒロインの恋愛対象者が僧侶になる人物なので、つり合いが取れておらず、真反対の存在故、微妙な恋愛ものということです。
たけくらべを時代背景から解説
たけくらべの時代背景を交えて解説します。
遊女と僧になる正反対な2人
舞台になっている吉原は当時随一の花街で、たくさんの遊女たちがそこに住み着きで働いていました。当時お金を稼がなければならない女性たちにとって、遊女になることは厳しいですが生きていくための手段でした。
美登利の姉は吉原で働く遊女の1人です。また、そこに住んでいる美登利も将来姉と同じく遊女になることが想像されます。一方信如は僧になることが決まっており、そのような歓楽街や遊女、女性との関係はご法度です。
淡い恋愛を描いた作品
明治時代の話で、2つの町の勢力が町のかじ取りを担って争っており、争いの火種みたいなものが子供たちにもあります。つまり、子供同士でも派閥みたいなものがある時代です。そんな中、異なる派閥で、異なる職業の人物同士の恋愛を描いているのがこの作品です。
しかし、14から15歳の子供たちの恋愛を描いたものなので、ドロドロとした恋愛になっていない点がポイントです。大人のような汚い恋愛のようなものを見せつけられていない点がこの作品の魅力です。
たけくらべの美登利と信如の関係性は?
美登利と信如はお互いにあわい恋心を持ってひかれあっていました。周りの子供たちにはやし立てられてから気まずくなってしまうのは少年少女の年頃なら今の私達でも共感できると思います。
しかし、将来信如は僧、美登利は遊女になることが運命づけられており、相反する将来を抱えている二人はそれ以上近づくことができなかったのだと思います。
両者ともに、恋心があろうと自分のレールから外れることができなかった人物同士です。子供が自分の敷かれている職業のレールから外れるというのは、この当時であれば、死ぬこと以外望ましくなかったということですね。
美登利のその後は?
酉の市のシーンで美登利が美しく着飾り、髪を島田髷に結っていますが、これは美登利も遊女としてデビューしたことを示していると思われます。島田髷というのは主に遊女が結う髪型だったからです。
たけくらべの基本情報|漫画版書籍はある?
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | たけくらべ |
カテゴリー | フィクション |
著者 | 樋口一葉 |
発売日 | 1895年 |
ページ数 | 288 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4309407315 |
ISBN-13 | 978-4309407319 |
たけくらべの漫画版書籍
たけくらべは英語版の書籍もあります。
たけくらべのあらすじ、ネタバレのよくある質問
たけくらべのよくある質問に回答します。
「たけくらべ」のドラマ・映画・関連動画
「たけくらべ」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。
「たけくらべ」は1955年に美空ひばり主演で映画化されています。
ドラマ化やアニメ化もされています。一葉記念館でアニメーション化されたり、日本テレビの青春アニメ全集で放送されました。
また、宝塚歌劇団によってミュージカル化もされた作品です。気になる方はチェックしてください。
コメント