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【あらすじ・感想文】高瀬舟の伝えたいことを考察!2人の生きることへの考え方とは?

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高瀬舟のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。

サクッと内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。

あらすじはネタバレを含む可能性があります。ネタバレなしで読みたい方は結末をとばしてご覧ください。

高瀬舟のあらすじ①

高瀬舟は罪人を京都から大阪まで送る船です。罪人の身の上話を聞く機会が多い同心(警察官)は、自分も重い気持ちになることが多いため、不快な職務として嫌がられいました。

ある日同心の庄兵衛は、喜助という罪人を高瀬舟で護送します。彼は喜助が清々しい顔で反省の色が全くないのを不思議に思います。普通の罪人は涙ながらに自分のつらい身の上話や罪の顛末を語るのですが、喜助は無口で、まるで歌を歌うかのような顔をしています。

初めは庄兵衛は喜助が狂っているのはないかと思いましたが、言動が落ち着いているのでつい、「喜助さん」と「さん」付けで呼んでしまいます。庄兵衛が喜助を罪人として見ていないことが、無意識にこう呼ばせてしまったのです。

喜助は自分が明るい顔をしているのは、島流しで200文という大金をもらったからと答えます。お金は右から左で消えるものと思っていたが、初めて200文という大金を見たと。その時庄兵衛は、自分の生活を振り返ります。

自分もお金がたまることはなく消えていく生活、薄給の自分は妻の実家の援助も陰ながら受けている、この喜助と自分のどこが違うというのだろう、紙一重ではないのか、と。ここで庄兵衛は喜助が自分と同じであるという感覚を感じています。

そして喜助は自分の罪について語り出します。病気の弟がある日自殺を図り、のどを掻き切ったけど血ですべって刀が刺せない、だからお兄さんとどめを刺してくれと頼んだ、と喜助は言います。

それをたまたま見ていた人に通報されて今自分は罪人になってしまったと。庄兵衛は喜助の罪は、罪なのだろうかと自問自答します。と同時に、この話は本当だろうかと疑ってもいます。

ついに庄兵衛は自分で考えることをやめ、お上が決めたことにゆだねようと思考を停止します。そして高瀬舟は、庄兵衛の疑惑を商法するかのように黒くなった川を静かに流れていくのでした。

高瀬舟のあらすじ②

罪人を送る高瀬舟で護送を担当していた同心の羽田庄兵衛は奇妙な罪人と出逢います。その罪人はこれから刑罰を執行するというのに晴れやかな表情なのです。思わず気になってしまった同心は罪状について聞いてしまいました。聞けば「弟殺し」だというのです。

さらに興味が湧いてきてしまい詳しく聞きます。罪人は弟と貧しい中でも力を合わせて細々と暮らしていました。ところが、弟が病に臥せってしまいました。病気の弟のために懸命に働くものの生活は苦しくなるばかりです。

そんな中、仕事から帰ると喉にカミソリが食い込んだ弟がいました。弟は懸命に働く兄を案じて自ら命を経とうとしたのですが死に切れていませんでした。すぐに、医者を呼ぼうとする兄を静止して弟はこのまま死なせてくれるように懇願します。

兄は弟の必死さを受け止めて最後喉からカミソリを引き抜いて弟にとどめを指します。兄は引き抜いたところを隣人に目撃されて「弟殺し」として裁かれることになったのです。

つまり、兄からしてみれば逃れられない死の運命の中苦しむ弟を一思いに解放してやったという満足感が勝り後悔などあろうはずがなく晴れやかな顔だったのです。一連の話を罪人から聞いた同心は悩みます。

逃れることのできない死の運命の中苦しむ弟を介錯した兄。果たしてこの殺人は裁かれなければならない罪なのだろうかと疑問に思います。しかし、答えは出ることはなく高瀬舟はただ目的地に向かっていくのです。

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高瀬舟の全文は書籍で読めます。森鴎外の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。

author:執筆者:高橋渉

目次

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星 渉(ほし わたる) 1983年仙台生まれ。麗澤大学客員教授、ベストセラー作家(著書累計9冊49万部)。主な著作には中田敦彦YouTube大学で紹介された『神メンタル「心が強い人の人生は思い通り」』(17万部KADOKAWA)や『神トー―ク「伝わり方しだいで人生は思い通り」』(10万部KADOKAWA)など。

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【200字~400字】「高瀬舟」の感想文・口コミ

【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答

女性の口コミ評判

50代女性

自殺を失敗して苦しんでいる弟を殺した喜助は、はたして罪深いのだろうか、それは善ではないのだろうか、と読者は高瀬舟に乗っている同心(現代の警察官)の気持ちになって考えてしまう作品です。しかし弟殺しだけがこの作品のテーマではありません。実は、喜助はうそを言っているのではないか、と同心の庄兵衛は感じています。弟が苦しんでいるから殺したのではなく、弟の病気のせいで貧乏になっているから殺したのではないだろうか、本物の悪人ではないかと。最後の一文は「高瀬舟は黒い水の面をすべって行った」とありますが、黒い水、すなわち庄兵衛の心の疑心を暗示しています。

男性の口コミ評判

20代男性

「罪」とは何かと考えさせる短編です。短編でありながらここまで人が罪を犯すということを考えさせるというのはさすが森鴎外だと思います。人殺しは確かに罪ではあるが、それをただ悪と断じるのは果たして正しいのか。これが書かれてから100年経っている日本でも結論の出ていない安楽死について描かれており森鴎外の鋭さが光る作品だと思います。なかなか明るい内容の話ではないですが、ぜひ読んでいただきたい作品だと思います。

高瀬舟で伝えたいことを考察

高瀬舟を読んだ人に、この本が伝えたいことを考えてもらいました。

伝えたいこと①

死にゆく人が「苦しいから早く殺してくれ」と言った時、それが肉親だったらあなたは殺せますか、そしてそれは罪なのか、と読者に投げかけています。そしてこの作品に答えはありません。読者自身が自分自身に問いかけるのです。

伝えたいこと

殺人というのは一般には裁かれなければならない重罪です。 しかし、本当に全ての殺人が裁かれなければならない重罪なのだろうか。病気の苦しみから解放するのは悪なのだろうか。現代日本でも答えのない安楽死の是非について問うた画期的な作品です。

庄兵衛と喜助の生きることへの考え方

庄兵衛と喜助は、満足ができる生き方が本当の幸せと考えます。

借金の返済で貧しい暮らしをする喜助も、定職に就き給料をもらっている庄兵衛もお金は右から左へと消えていきます。2人の生活は全く違いますが、満足できていなかった点は同じ。庄兵衛は、喜助と自分のどこが違うというのだろう、紙一重ではないのか、と自分の生活を振り返ります。

弟殺しの罪で喜助は罪人になりましたが、手元にお金が残り、満足したことから明るい表情でした。

高瀬舟の印象に残った言葉

庄兵衛の一文「殺したのは罪に相違ない、しかしそれが苦から救うためであったかと思うと、そこに疑いが生じて、どうしても解けぬのである」が印象的です。

この作品は、安楽死をテーマにしているとよく言われますが、私には庄兵衛の警察としての勘を信じます。喜助の話は本当だろうか、とプロの警察官が疑問に思ったことが、真実ではないかと思います。つまり、喜助は弟を救うためではなく、自分を救うために殺人したのではないかと考えます。

高瀬舟の基本情報|英語版書籍はある?

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作品の詳細内容
作品名高瀬舟
カテゴリーフィクション
著者森鴎外
発売日1962年1月19日
ページ数292
言語日本語
ISBN-104087520285
ISBN-13978-4087520286
高瀬舟の基本情報

高瀬舟の英語版書籍

著:森鴎外, 翻訳:マイケル・ブレーズ
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高瀬舟は英語版の書籍もあります。

高瀬舟のあらすじ、ネタバレのよくある質問

高瀬舟のよくある質問に回答します。

森鴎外はなぜ高瀬舟を書いたのか?

弟達が病で苦しみ死ぬのを目の当たりにし、「妹の安楽死を企て失敗する過去」が執筆の理由とされています。

高瀬舟の主題は何ですか?

「安楽死の是非」と「知足の心」です。

高瀬舟とはどんな船ですか?

大阪〜京都間を行き来する小舟です。小説内で「死刑より軽く島流しより重い罪の人」が運ばれるためにも使われました。

高瀬舟の最後の一文は何ですか?

「次第に更けて行く朧夜に、沈默の人二人を載せた高瀬舟は、黒い水の面をすべつて行つた。」です。

「高瀬舟」のドラマ・映画・関連動画

「高瀬舟」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。

「高瀬舟」は成宮寛貴主演でドラマ化されています。「BUNGO日本文学シネマ」の短期ドラマシリーズの中で放送されました。また、映画化もされています。気になる方はチェックしてください。

「高瀬舟」の関連動画をご紹介します。

朗読演劇シリーズで舞台化されました。

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