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蜘蛛の糸のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
簡単に内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文、テスト対策にもぜひお役立てください。
蜘蛛の糸のあらすじ①
人殺しや泥棒などの大罪を重ねて地獄行きとなったカンダタはたった一つ良いことをしていました。道端を歩いていた時に見つけた蜘蛛を踏みつぶそうと足をあげましたが、「小さなこの蜘蛛にも命がある。むやみやたらに命を奪うのはかわいそうだ」と踏みとどまり、安全な場所へと逃がしてやったのです。
極楽にいたお釈迦様は、カンダタのこの善い行いを思い出し、地獄から救ってやろうと一本の蜘蛛の糸を垂らしました。落ちてきた蜘蛛の糸に気が付いたカンダタは、うまくいけば極楽に行くことができるかもしれないと考えて、細いその糸を登り始めました。
しかし、糸の真ん中あたりまで登ったところで下を見ると、ただでさえ切れそうな一本の糸に、地獄から脱出しようと多くの人がしがみついていたのです。このままでは糸が切れて、また地獄に落ちてしまう。
せっかく極楽に行こうと頑張って上ったのに、その努力もチャンスも無駄になってしまうと焦ったカンダタは、大声で下に向かって叫びました。「こら!罪人ども!!この糸は俺のものだぞ!降りろ!降りろ!」と。
その瞬間、糸がプツリと音を立てて切れてしまいます。自分の利だけを考えて他人を思いやらないカンダタは、地獄に真っ逆さまに落ちていきました。
その様子を極楽から見ていたお釈迦様は、再び地獄に落ちてしまったカンダタを見て、悲しそうに微笑んでいました。せっかくのチャンスを自らの欲のせいでみすみす台無しにしてしまったのです。
蜘蛛の糸のあらすじ②
お釈迦様が極楽の蓮池のほとりを散歩していると、遥か下には地獄があり、カンダタという男が血の池にいる姿が見えました。お釈迦様はふと思い出しました。カンダタは生前、多くの罪を犯してきましたが、たった一度だけ良い行いをしていたことを。
それは、道端の小さな蜘蛛を踏み殺さずに助けてあげたことでした。お釈迦様はそんな彼を地獄から救いだしてあげようと考えて、地獄の血の池に向かって蜘蛛の糸を垂らしたのです。
血の池にいるカンダタの元に蜘蛛の糸が垂れてきました。その蜘蛛の糸を掴み、必死に上へ上へとのぼっていくのでした。血の池から極楽までの距離はとてつもなく長いため、のぼることに疲れてしまったカンダタは糸の途中にぶら下がって休むことにしました。
ところが下を見ると、罪人たちが蜘蛛の糸にしがみつき行列になっています。このままでは重さに耐えきれず、蜘蛛の糸が切れてしまうと思ったカンダタは、下にいる罪人達に向かって言いました。
「この蜘蛛の糸は俺のものだ。下りていけ。」と。すると突然、蜘蛛の糸がカンダタの居る部分からプツリと切れてしまったのです。カンダタは下にいた罪人達と一緒に、地獄の血の池に向かってまっ逆さまに落ちてしまいました。この様子を上から見ていたお釈迦様は悲しく思い、この蓮池から立ち去っていきました。
蜘蛛の糸の全文は書籍で読めます。芥川龍之介の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
【200字~400字】「蜘蛛の糸」の感想・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
20代女性
「自分だけが利益を得ようとすると損をする」ということを、心に刻むきっかけとなった本です。泥棒や人殺しをした罪よりも、はるかに小さな「一匹の蜘蛛を助ける」という一つの善が功を奏して、地獄から救い出されるチャンスを与えられたのにも関わらず、「自分だけが助かればいい」という気持ちが、そのすべてを台無しにしてしまうのです。私自身も、与えられた恩恵に気づくことなく、「自分さえ」という気持ちで動いてしまったために、友人を悲しませてしまったことがありました。切羽詰まった状況では人は誰もが冷静になれず、本性が現れるのだと思います。常日頃から、支えてくれていたり、手を差し伸べてくれる人々に感謝するとともに、自分が困った状況に置かれても、他人のことを考えることができる余裕を持てる人になりたいと思います。
40代女性
芥川龍之介の作品であり、小学校の教科書にも掲載されていた作品ですが、短い作品の中に大事な教えがあると感じながら読みました。 改めて、大人になって読み返してみると、子供の頃に感じたこととは違い、より深みのある話であることを感じさせる作品であり、罪人カンダタとお釈迦様との思いがより、鮮明に伝わってきました。人は自分のことだけを考えるのではなく、他人のことも考えながら生きていくべきであることを教えられる作品でした。
物語の正解は?蜘蛛の糸で伝えたいこと
蜘蛛の糸を読んだ人に、この本が伝えたいことを考えてもらいました。
伝えたいこと①
どんなに切羽詰まる状況だとしても、自分が助かろうとするなど、利益を求めてはダメだということ。
伝えたいこと②
自らの欲望のせいで大きなチャンスを水の泡にしてしまうこともあるということ。
伝えたいこと③
常日頃から、与えられた恵みに感謝して、他人を思いやる気持ちを持つことが大切だということ。
「自分のことばかりを考えるのではなく、みんなのことを考えるべきである」がお釈迦様の気持ちであり、物語の正解だと思います。自分さえ良ければ他のものはどうでも良いといった感情は持つべきではないことを表しているのでしょうね。
カンダタも自己中でなく他者への思いやりをもてば、糸が切れて地獄の池へ落ちる最悪の結末にならなかったでしょう。
蜘蛛の糸の名言・印象に残った言葉
蜘蛛の糸の名言や印象に残った言葉を紹介します。
- 「いやいや、これも小さいながら、命あるものにちがいない。その命を無暗にとるということはいくらなんでも可哀想だ。」
- 「こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前達は一体誰に尋いて、のぼってきた。下りろ。下りろ。」
- 「自分ばかり地獄から抜け出そうとする、カンダタの無慈悲な心が、そうしてその心相当な罰をうけて、元の地獄へ落ちてしまったが、お釈迦様の御目から見ると、浅ましく、思召されたのでございましょう。」
- 「後にはただ極楽の蜘蛛の糸が、キラキラと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。」
蜘蛛の糸の基本情報|英語版や絵本はある?
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | 蜘蛛の糸 |
カテゴリー | 短編小説 |
著者 | 芥川龍之介 |
発売日 | 1989年3月20日 |
ページ数 | 213 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4041033144 |
ISBN-13 | 978-4041033142 |
蜘蛛の糸の英語版書籍&絵本
蜘蛛の糸は英語版の書籍もあります。
小さい子供や小学生向けの絵本もありますよ。
蜘蛛の糸のあらすじ、ネタバレのよくある質問
蜘蛛の糸のよくある質問に回答します。
「蜘蛛の糸」の映画・アニメ・関連動画
「蜘蛛の糸」の映画・アニメ・関連動画をご紹介します。
「蜘蛛の糸」は映画化されています。「アグニの神」と「煙草と悪魔」も盛り込んだ内容の作品です。
「蜘蛛の糸」の関連動画をご紹介します。
アナウンサーの朗読動画もあります。
他にも、「まんが日本昔ばなし」や「まんが赤い鳥のこころ」などでアニメ化されています。
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