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教科書にも載っているこころの章ごとのあらすじ・感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
ざっくり内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや高校生の読書感想文にもぜひお役立てください。
こころのあらすじ①
【上】では、大学生である主人公の「私」と学はあるが現在仕事はせず、妻である「奥さん」という2人静かに暮らしている「先生」という人物の出会いについて描かれています。
先生という人物は魅力的でありながら人との接点をあまり持とうとはしない人で、私は不思議に感じていました。しかし、ある時、先生が変わってしまったのは、先生の友人が昔亡くなってしまってからだということを知ります。
【中】では私が容態の良くない父の様子を見るために田舎に帰った描写から始まります。
父の体調は思っているよりも芳しくなく、もともといた東京には戻ることができなくなってしまいました。
父を看取るために地元にしばらくいた主人公の元にある日一通の手紙が届きます。それは先生からの手紙で、手紙の最後を読むだけでこれが遺書であることがすぐにわかりました。
私は急いで列車に乗り込み、東京に向かいます。そして、列車の中で手紙の続きを読みます。
【下】では、先生が過ごした半生について事細かに説明していきます。
親を早くに亡くし、両親が遺してくれた財産を叔父に狙われ、心に深い傷を負ってしまい、東京で下宿を始める決意をします。
その下宿先には軍人の未亡人である女性とそのお嬢さんが住んでおり、先生がお嬢さんを好きになるのに時間はかかりませんでした。
親から縁を切られ、困っていたkという友人も誘って同じ下宿先に住むことになるのですが、kもお嬢さんのことを好きになったと告白されるのです。
先生はお嬢さんを取られたくない一心で、kのことを欺き、お嬢さんに結婚を申し込みます。すると、kは希望がなくなってしまい、自殺をしてしまいました。
kは遺書でも先生を責めたことは一切書かず、真実は先生の胸にのみのしかかります。そして、先生はついに自殺を考えるようになり、自殺の決意した旨を私に送ることで物語は終わります。
こころのあらすじ②
「こころ」は、夏目漱石の後期三部作と呼ばれる最後の作品です。こころは三つの章に分かれており、それぞれ「先生と私」「両親と私」「先生と遺書」のタイトルがつけられています。
教科書に採用されている部分からも、先生を主人公だと思っている人が多いと思いますが、「こころ」の主人公であり語り手は「私」という青年になります。
【上】「先生と私」では、主人公の青年が先生に鎌倉の海で出会う場面から描かれます。
先生は妻と二人静かに過ごしており、毎月友人の墓に墓参りをしに行きます。先生を慕う青年は先生の家に行ったり墓参りについて行ったりしながら、恋愛や家族の問題について先生と話をします。
【中】「両親と私」では、主人公の青年が実家に帰省します。
主人公の父は腎臓に病気を患っており、その調子がよくないため青年は見舞いに戻ります。父は明治天皇をとても崇拝しており、天皇崩御の知らせを受けて生きる気力をなくしていきます。
主人公はそのような父もですが、残される母も気の毒に思っています。そんなとき、先生から熱い手紙が主人公に届きます。主人公はその手紙が先生の遺書だと気づき、東京行きの列車に飛び乗ります。
【下】「先生と遺書」では、主人公が汽車の中で読む先生の手紙の内容が語られます。ここは教科書に多く採用されている部分なので、ここだけ知っているという人も多いと思います。
先生には昔Kという友人がおり、Kは先生の妻に思いを寄せていました。しかし、自分も同じく恋心をもっていた先生は、Kを出し抜くようなかたちで奥さんとの結婚を取り付け、その後Kは自殺してしまいます。先生が毎月墓参りをしていたのはKのお墓だったのでした。
こころの全文は書籍で読めます。夏目漱石の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
【200字~400字】「こころ」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
20代女性
人間の自分勝手な行動とそれに伴う後悔などの気持ちが生々しく、そして忠実に書かれた作品だったと思います。自らが欲しいものを手に入れるためには相手を貶めることさえも厭わない。そう言った気持ちを持ちながら行動に移したとしても、自分の起こした行動の結果によってはその考えはいとも簡単に変わってしまうのだと思いました。人の命が自分の行動のせいでなくなってしまったという罪悪感に耐えられる人間というのは少ないのではないかと思います。
20代女性
何かを過去に抱えている先生と、これからの将来を漠然と抱えている主人公の青年の間で交わされる哲学的な問答からはとても学ぶことが多いです。恋愛や家族、将来への不安という普遍的な問題について現在の読者である私が共感できるところ、理解できないところが様々あり、漱石という文学者の人間への洞察の深さに本当に驚きます。また、教科書で「先生と遺書」のKの自殺の部分のみ知っている人が多く、私もそうだったのですが、作品全体を読むと印象が大きく変わりより優れた作品であることがわかりました。
夏目漱石の「こころ」から学ぶことを考察
こころを読んだ人に、この本から学べることを考えてもらいました。
学ぶこと①
利己的な考えや、一時の感情で行動をしてしまうと、後で取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。なので、自分が起こそうとする行動をまずは考えてから行動に移すべきだと感じます。後悔が生まれてしまうのであればやるべきではないと学びました。
学ぶこと②
先生や主人公の父が明治天皇の崩御に大きく影響を受けている様子から、明治の時代を生きた人間にとって明治天皇の存在が本当に大きかったということが分かります。また、主人公の青年と同じく現代の読者である私たちはその気持ちがあまり理解できず、生きた時代によって人間の考え方が全く異なることが分かります。また、先生と青年、Kとの哲学的な問答からも学ぶことは多いです。
こころの名言・印象に残った文
こころを読んだ人に、名言や印象に残った言葉を聞きました。
- 貴方は死という事実をまだ真面目に考えた事がありませんね
- 私は私自身さえ信用していないのです。つまり自分で自分が信用出来ないから、人も信用できないようになっているのです。自分を呪うより外に仕方がないのです
- 平生はみんな善人なんです、少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです
- とにかく恋は罪悪ですよ、よござんすか。そうして神聖なものですよ
- 君、黒い長い髪で縛られた時の心持を知っていますか
- 妻が己れの過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存して置いて遣りたいのが私の唯一の希望なのですから、私が死んだ後でも、妻が生きている以上は、あなた限りに打ち明けた秘密として、凡てを腹の中にしまって置いて下さい
こころの基本情報|英語版書籍はある?
作品の詳細 | 内容 |
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作品名 | こころ |
カテゴリー | 長編小説 |
著者 | 夏目漱石 |
発売日 | 2004年5月10日 |
ページ数 | 335 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 404100120X |
ISBN-13 | 978-4041001202 |
こころの英語版書籍
こころは英語版の書籍もあります。
こころのあらすじ、ネタバレのよくある質問
こころのよくある質問に回答します。
「こころ」のドラマ・映画・関連動画
「こころ」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。
「こころ」はドラマ化されています。テレビ東京や毎日放送など多数のテレビ局でドラマ化されてきました。気になる方はチェックしてください。
「こころ」は映画化されています。気になる方は下記の動画もご覧ください。
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