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テネシー・ウィリアムズ「ガラスの動物園」のあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
ガラスの動物園のあらすじ①
トムという青年の回顧録から話がスタートする昔の回想シーンみたいなお話で、トムは、倉庫整理の仕事をしている商船のスタッフです。トムが倉庫周辺に集まっている人に対して、昔話をすることから物語がスタートします。
トムは、靴倉庫で働いていて口うるさい母の存在のせいなのか、いつか実家を出たいと考えていました。トムには姉がおり、病気の後遺症のため、生まれながらに片足だけが成長が悪く歩けずじまいで引きこもりがちの女性でした。
なお、トムの母親は、トム自身が自分を捨て去り逃げた夫と重なる部分があるということから、トムの存在を認めようとしなかったのです。一方の姉ローラは、足にコンプレックスがあるため、社交性が乏しく、内気な性格故人と打ち明けることが苦手だったのです。
そんな中、トムの母、アマンダは、姉ローラのことを思い、結婚相手となる男性をトムに何とかして見つけてくるように促すのです。すると、トムには、心当たりがあり、トムと同じ職場で働いているジムという青年が姉ローラの結婚相手になるのではないかと予想しジムに交渉をします。
なお、ジムは実は、過去にローラが淡い恋心を板いだことがある男性で、つかの間ながら弟トムの紹介のおかげでローラはジムと知り合うこととなり、次第にローラはジムにひかれていくことになります。
ですが、ジムには実は婚約者がおり、そのことを弟トムは知らずにジムを紹介したため、母、アマンダはトムに対して何故、結婚する約束がある人物を紹介したのかということでなじられてしまうのです。果たして、トムは、この局面をどう乗り切るのでしょうか。
ガラスの動物園のあらすじ②
1930年代の不況にあえぐアメリカが舞台になっています。セントルイスのウイリアムフィールズ家の住むアパートの一室での話です。
登場人物は母アマンダ、その子供で姉のローラ、弟のトム、弟の働く会社の同僚のジムです。ローラ達の父親は家にいる息苦しさから10年位前に家出をしています。アマンダ自身良い家庭で育ってきたがその理想を今の家庭に求めようとしています。
ローラは子どもの頃発症した病の後遺症で脚に障害が残っており、脚に添え木を当てて生活をしていました。それがもとでローラはガラス細工が壊れやすいように、脆く弱い人間になっていました。
アマンダはローラに手に職をつけさそうとビジネススクールに通わせましたが内気な性格が災いをしてうまくいきませんでした。一方トムは靴倉庫で働いていました。仕事や些細なことに口出しをしてくるアマンダに嫌気がさしていました。
そしていつか家を出ようと考えていました。アマンダは生活に疲れ果てていました。トムに夫のように家出をして欲しくない一心からトムのことを理解しようとしませんでした。
そんな時アマンダはローラが職も経済力もないので将来を案じトムにローラの結婚相手となるような男性を連れてくるように頼みました。アマンダは家で男性とローラが夕食をともにする企てをしていました。
トムは同僚のジムを連れてきました。ジムはローラが学生時代に好意を持っていた人でした。再開したローラは恋心が再燃しました。しかしジムに婚約者がいることを告げられ、ローラはアマンダも描いていた理想的な生活を入手するという思いは儚く消え去りました。
ローラは現実を受け入れて自身で生きていく道を選ぶしかなくなりました。
「ガラスの動物園」日本語訳の全文は青空文庫にはなく、書籍で読めます。テネシー・ウィリアムズの世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
テネシーウィリアムズ「ガラスの動物園」の感想・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
30代男性
障害を持つ人物をどう支えていくかという方向性において、現代でもありえる、集団ヒステリーのような話に見えました。つまり、家族一人に障害を持つ人物がいたと仮定した場合、その人物を支えていくためには、家族の周りが障害を持つ人物に対して、結婚するという方向で支えていこうとした場合、家族という集団はヒステリーのような集団になりえ、障害を持つ本人が一番苦しむ可能性がある点、そして支えていく人物が疲弊していきどうしようもない憤りが生まれる点がこの作品を読んだ感想になります。
50代女性
親は子どもの将来を心配するあまり、ついつい子供の進路に口出しをしてしまいがちであるが自分で決めさせないと長続きはしないと思いました。また家族とは形骸的になることもあり、絆を強くしようと思えば親などひとりの意見を子どもの意思をきかずに押し通さないことだと思いました。また家族の問題を解決するための特効薬はない、自分で現実を見つめて解決していくしかない場合もあると思いました。人は一人では生きていけないけれど、各人が誰かにもたれかからず強い精神力を持っておく必要があると思いました。
ガラスの動物園の結末を解説!ローラは最後どうなる?
ローラは学生時代に恋心を抱いていたジム(弟トムの同僚でもある)と夕食をともにすることによって、恋心がよみがえってきました。ジムとの夕食をともにする機会を与えたのは、ローラを結婚させようと考えていた母アマンダでした。
しかし、ジムには婚約者がおりローラの恋と母の企てに終止符が打たれました。家族問題を解決できず、現実を受け入れローラは生きていくしかありませんでした。
ローラは失恋したうえで、第2の男性を待つという待ちの姿勢でいます。主人公であるトムは、ローラに結婚する予定がある男性を紹介したということから、母にぼろくそに言われたうえで、勘当同然で家を出ていきました。というのが物語の結末です。
ガラスの動物園の名言
ガラスの動物園の名言を紹介します。
- 人間ってものは、知り合いになってみれば、どんな人間でもそんなに恐ろしいもんじゃないんですよ。
- 将来ってものは、いずれは現在になるんだよ。
- 君と同じように望みが満たされないでいる人間はいくらだっているんだぜ。
- 自分がなにかの点で人よりすぐれていると思うことだ!
- ガラスってこわれやすいのよ。いくら気をつけてもこわれる時はこわれるの。
ガラスの動物園の基本情報|英語版の本はある?
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | ガラスの動物園 |
カテゴリー | 家族小説 |
著者 | テネシー・ウィリアムズ |
発売日 | 1945年 |
ページ数 | 191 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4102109072 |
ISBN-13 | 978-4102109076 |
テネシーウィリアムズの「ガラスの動物園」は紙書籍しか見つけられませんでした。電子書籍の「ガラスの動物園」は漫画で、内容も異なるので注意してください。
ガラスの動物園の英語版書籍
ガラスの動物園は英語版の書籍もあります。
ガラスの動物園のあらすじ、ネタバレのよくある質問
ガラスの動物園のよくある質問に回答します。
「ガラスの動物園」の舞台・映画・関連動画
「ガラスの動物園」は1950年や1987年に映画化されています。
さらに舞台化もされており、岡田将生出演の舞台もあります。
また、新国立劇場ではイザベル・ユペール出演の舞台、文学座では、過去にローラ役をした塩田朋子(29年ぶりの講演はアマンダ役)や過去に長岡輝子が出演した舞台が上演されました。
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