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セロ弾きのゴーシュのあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと内容や登場人物の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
セロ弾きのゴーシュのあらすじ①
ゴーシュは町の楽団でチェロを弾いています。1週間後に演奏会を控えているため、楽長はピリピリしていて、仲間内では一番下手なゴーシュはいつもにもまして楽長にいじめられています。ゴーシュは家に帰って毎晩猛特訓していました。
その日もゴーシュは深夜までチェロを弾いていました。そこへ三毛猫が訪ねてきて、ゴーシュに「チェロを弾いてごらんなさい。聞いてあげるから。」というのです。猫の生意気な様子に腹を立てたゴーシュは「インドの虎狩り」という猛烈な曲を弾き始めます。
ゴーシュがあまりにいきおいよく演奏するので、猫は苦しがって跳びあがったりぐるぐる走り回ったりしました。更にはゴーシュが猫の舌でマッチをシュッと擦ったものですから、猫は驚いて慌てふためいて帰っていきました。
次の晩、ゴーシュがいつものようにチェロを弾いているとカッコウがやってきて、「ドレミファを教えてほしい」というのです。「お前の歌はかくこう、かくこうというだけじゃないか。」とバカにして笑うゴーシュにカッコウは自分のこだわりを一生懸命説明するのでした。
ゴーシュの家には次の晩にはこだぬきが、そしてその次の晩にはネズミの親子がやってきます。そのたびにゴーシュは動物たちのためにチェロを弾いてやりました。
いよいよ演奏会の日がやってきました。ゴーシュの楽団は大評判で演奏が終わった後もアンコールの拍手が鳴りやみません。ゴーシュは楽長に一人で演奏するように舞台に押し出されてしまいました。
開き直ったゴーシュは三毛猫がやってきた晩に練習した「インドの虎狩り」を演奏します。ゴーシュの上達ぶりに楽長や楽団の仲間は驚き、絶賛するのでした
セロ弾きのゴーシュのあらすじ②
ゴーシュは金星音楽団で、セロ(チェロ)を担当しています。無器用な彼は、楽長にいつも厳しく叱責されていました。しかし、そんなゴーシュのもとに、毎晩、動物たちが訪れ、何かと理由をつけて演奏を求めるようになりました。
三毛猫は「ゴーシュの演奏を聴かないと眠れない」という理由で「トロメライ」の演奏を求めます。ゴーシュは生意気な猫に対して、楽長に叱られたうっぷんをぶつけるかのように「印度の虎狩り」の演奏をします。
また、カッコウは、正確なドレミファを習いたいとゴーシュのもとに来ました。しかし、何度も「もう一度」と頼み続けられ、逆にゴーシュの音階を聞き取る力量がアップします。
その他にも動物たちのリクエストに応え、演奏を続けるうちに、ゴーシュはチェロ弾きの技術が格段にあがっていくのでした。
音楽会の本番は大成功します。楽長は、アンコールにゴーシュを指名しました。ゴーシュは楽長にバカにされたと腹を立てますが、動物たちに演奏した日々を思い出し、心を込めて「印度の虎狩り」という曲を演奏します。
無我夢中で演奏した彼を大絶賛の拍手が包みました。ゴーシュは、動物たちへの無償の行為によって謙虚さと慈悲深さが生まれ、人間としても大きく成長していたのです。
セロ弾きのゴーシュの全文は書籍や青空文庫で読めます。書籍がより宮沢賢治の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
「セロ弾きのゴーシュ」の感想・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
40代女性
楽団で足手まといだったゴーシュが、毎晩やってくる動物たちとの交流で上達し、音楽への心構えも変わっていく様子が、宮澤賢治の透明感とユーモアをあわせもつ文体でつづられています。私はカッコウと練習するエピソードが一番好きです。カッコウのことを「ただかくこう、かくこうと鳴いているだけだろう」とバカにしていたゴーシュは、カッコウの真摯に命がけで音楽と向き合う様子に心を撃たれます。自分の演奏は音楽のことが何もわかっていなかったと謙虚になっていくところがたいへんおもしろいです。
60代女性
無器用なゴーシュの朴訥とした雰囲気がたまらなく素敵です。初めは動物たちをいじめてしまう弱い心をもった彼がチェロを弾きたいと願い、大きな夢に向かって歩む姿に感動しました。ゴーシュと、動物たちとの触れ合いが心が和みます。人は誰かと触れ合うことで成長すると思いました。結果としてアンコールで演奏し大絶賛をあびる成功にもおごることのないゴーシュの人柄に胸をうたれました。改めて自分を振り返り、自分の弱さに目を向けているところに共感します。
セロ弾きのゴーシュで伝えたいこと・教訓
セロ弾きのゴーシュを読んだ人に、この本が伝えたいことや教訓を考えてもらいました。
伝えたいメッセージ①
ゴーシュは最初、動物たちを見下していましたが、カッコウが懸命に歌う様子を見たあたりから様子が変わってきます。こだぬきにチェロの2番目の糸の不調を指摘されると素直に認め、野ネズミの親子には親切にして最後にパンをあげます。
音楽を習うということは独りよがりではうまくならないということを伝えたかったのだと思います。
伝えたいメッセージ②
力量をあげていくためには、スモールステップでの努力が欠かせないことや、大きな敵と思われた人物が実は自分を見守り成長させてくれる存在だということ。
伝えたいメッセージ③
孤独だと思っている自分の身の回りに協力者はたくさんいて、チャンスもあるということ。
セロ弾きのゴーシュの動物の役割
動物たちは、ゴーシュを支え、チェロ弾きの音階、リズム、感情の3点のスキルを向上させていく役割がありました。
最初の猫はゴーシュのチェロを聞いて具合が悪くなります。つまりゴーシュの演奏は下手で聞けたものではなかったのでしょう。
その後、カッコウとの練習でゴーシュは音感を鍛えられ、こだぬきとの練習ではリズム感を鍛えられます。最後にやってきた野ネズミの親子は、ゴーシュの演奏には病気を治す効果があると発言。これはゴーシュの演奏が上達したことを意味します。
毎晩、いろいろな理由でゴーシュに演奏を求め、最初は憂さ晴らしに動物をいじめていたゴーシュは、無償で演奏を続けているうちに、動物への考えが変わり人間的にも内面が大きく成長しました。
なぜカッコウに謝って猫に謝らない?最後のセリフを考察
最後のセリフでゴーシュはカッコウに謝ります。なぜカッコウに謝って猫には謝らないのか?理由を考察します。
カッコウに謝った理由
カッコウは音楽家でゴーシュと同じ立場にいます。そして自分の音楽に誇りと情熱を持っています。ゴーシュはそれに対して尊敬しつつも怖くなってしまい、カッコウに辛く当たってしまったので謝ったのです。
猫に謝らなかった理由
猫は観客でゴーシュとは立場が違います。「聞いてあげますから」とか「今夜の演奏はどうかしてますね」と上から目線で言われたことに腹をたてての報復なので、謝らなかったのではないでしょうか。
そして、音楽家としての個性を大切にしながら演奏することの大切さのメッセージとして、あえて謝罪させなかったと考えられます。
また、猫が気まぐれで謝罪を素直に受け取らず、謝罪してもいい結果にならない生き物だと宮沢賢治が思っていた可能性もありますね。
セロ弾きのゴーシュの名言
セロ弾きのゴーシュの名言を紹介します。
- カッコウのセリフ「なぜやめたんですか。僕らなら、どんな意気地のないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ」
- こだぬきのセリフ「だって僕のお父さんがね、ゴーシュさんはとてもいい人でこわくないから行って習えと言ったよ」
- ゴーシュのセリフ「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」
セロ弾きのゴーシュの基本情報|英語版書籍はある?
作品の詳細 | 内容 |
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作品名 | セロ弾きのゴーシュ |
カテゴリー | ファンタジー小説 |
作者 | 宮沢賢治 |
発売日 | 1934年 |
ページ数 | 28 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4777183742 |
ISBN-13 | 978-4777183746 |
セロ弾きのゴーシュの英語版書籍
セロ弾きのゴーシュは英語版の書籍もあります。
セロ弾きのゴーシュのあらすじ、ネタバレのよくある質問
セロ弾きのゴーシュのよくある質問に回答します。
「セロ弾きのゴーシュ」のドラマ・映画・関連動画
「セロ弾きのゴーシュ」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。
「セロ弾きのゴーシュ」は、1982年にジブリの高畑勲が監督して、オープロダクションがアニメ化しています。DVDも出ています。
また、「セロ弾きのゴーシュ」は映画化されています。1949年に影絵アニメーションで製作された映画、1953年の人形アニメーション映画、その他数回映画化されています。
他にも舞台化されており、絵本や漫画、楽曲もあります。
YouTubeに様々な動画があるので気になる方はチェックしてください。
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