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Nのためにのあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと簡単に内容や登場人物の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりにもぜひお役立てください。
Nのためにのあらすじ①
物語の発端は、1月22日、都会のマンションにて野口夫妻が亡くなるという事件から始まります。そこに居合わせた4人、杉下希美、成瀬慎司、安藤 望、西崎真人、全員Nがつく若者がそれぞれの感情を持ち合わせ、それぞれの胸を締め付けるような「嘘」をつくのです。
事件の真相を暴くにあたり、最初に杉下希美が、野口夫妻との出会いやその時の印象、現在の関係性を語り出します。
次に同じような流れで、西崎真人が語り始め、自分が夫妻を殺した事、その時にいた人物の状態を語ります。そして、安藤 望、成瀬慎司、マンションの受付担当者、ラウンジ担当者がそれぞれの目線から見た事件を語ります。
証言の総合的な判断から、西崎真人に懲役10年の判決がくだされました。物語の本筋は、この懲役10年の刑期を終えたところからとなります。
杉下希美は余命宣告を受けたことで、10年前についた「嘘」を誰かに知らせたいという欲にかられていました。嘘の共有を愛ととらえていた彼女が、余命を知った時から、告白することを決意します。
10年前に起こった事件を語るにあたって、高校時代の出来事、実母との確執、成瀬慎司への想い、島を出てからの安藤望、西崎真人との関係性を順を追って説明する必要がありました。それぞれの登場人物のバックグラウンドを知ると、なぜ全員が嘘の共有をしたのかがハッキリするからです。
事件の真相を語り終え、杉下希美は終活に取り組みます。やり残した事や島に置いてきた想いを清算すべく、静かに動き出します。
Nのためにのあらすじ②
杉下希美と安藤望、西崎真人の三人は「野バラ荘」という安アパートに暮らしていました。希美と望は、望の就職が内定したのを機に石垣島を旅行します。二人は島で、趣味の将棋を介して野口貴弘・奈央子夫妻と知り合い、内地に戻ってからも交流を続けました。
野口夫妻も内地の住人であり、「スカイローズガーデンー」というタワーマンションに住んでいます。希美たちは野口夫妻の部屋で将棋を楽しんでいました。そんな中、希美は高校時代の同級生・成瀬慎司と再会します。
慎司はレストランでアルバイトしていますが、そこは野口夫妻にとって想い出の場所だということが判明します。貴弘は希美にその店の出張サービスを勧められ、皆を呼んで待っていました。
彼は望との対局を楽しみにしており、書斎で希美と一緒に攻略法を考えています。貴弘が一旦書斎を離れると、希美はリビングからの叫び声を聞きます。彼女が急いで向かうと、そこには血を流して倒れている野口夫妻の姿がありました。
そして、何故かその場所に真人が血の付いた燭台を持って立っています。希美は頭が混乱しますが、ちょうどその時に料理を運んできた慎司がインターフォンを鳴らしました。
やがて警察による事情聴取が始まり、真人が奈央子の不倫相手であったことが発覚します。彼の供述によると、奈央子は貴弘からDVを受けており、その日は彼女の救出に訪れていたと言います。
貴弘は真人を殴り倒し、奈央子にも怒りの矛先を向け包丁で刺しました。真人はそれを見て逆上し、思わず側にあった燭台で貴弘の頭を殴ったということです。ところが、この供述が嘘であることが次第に明らかになっていくのでした。
Nのためにの全文は書籍で読めます。湊かなえの世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
「Nのために」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
30代女性
題名にもあるように、Nとは男なのか、または誰なのかなど様々な考えが巡らされるストーリーでした。本の中で、時代が前後しているため話がごちゃごちゃしやすいかと思いましたが、語る人物の移り変わりや描写が上手に描かれているので、すんなりと読みきることができました。現実的にも起こり得る話なので、激しい見せ場という場面はほとんどないのですが、出てくるキャラクターや関係性など引き込まれる設定になっているので、夢中になって読みました。最終的には、すべての辻褄がしっかりと合うストーリーなので、すっきりすると思います。
60代男性
「Nのために」のNとは誰のことでしょうか?作品を読む中で、頭の中で何度も問い続けました。作者が描く愛の姿は、いつも一筋縄ではいきません。その姿を探ろうとすれば、一気に読まざるを得ないでしょう。彼女の描く作品は、根底には愛というテーマが流れています。本作でも、大切な人を守るために、登場人物は儚い嘘をつくことになります。その嘘は、守られる側としては決して望んでいないことかもしれません。それでも嘘を続けるのは、人間の悲しい性なのでしょうね。
「Nのために」の魅力
nのためにを読んだ人に、この本の魅力を教えてもらいました。
一気読みしたくなる見事なストーリー
本作は、読み始めると結末が気になり止まらなくなるほどの魅力があります。余命宣告があるからこそ、10年前の事件の真相が、切なく胸に突き刺さりました。登場人物一人一人がいなかったら。また、証言の覚悟がなかったら、成立しなかった事件が見事に描かれていて、感心するストーリーでした。
登場人物の感情描写が上手くて面白い
登場人物それぞれが抱えている苦しみや熱い気持ちが、淡々と進んでいくストーリーとの間にギャップがあり、魅力的です。物語は、登場人物の視点で描かれており、それぞれの情感も良く分かって面白く読めます。そうした情感描写の上手さは、湊かなえの真骨頂と言えるものがあります。
「Nのために」原作小説とドラマの違い
小説とドラマの違いを解説します。
杉下希美の違い
ドラマ版では、杉下希美の目線からは友人や恋愛感情といった、横の繋がりが色濃く描かれていた印象だったため、杉下希美の親子関係についてはモヤモヤしました。しかし、小説版では、母と子の縦の関係性にも最後まで触れてくれたので、スッキリとした印象で終わることができました。
成瀬慎司の違い
成瀬慎司の詳しいエピソードが小説よりドラマの方が多いです。ドラマしかないエピソードは次のとおり。
- 実家の料亭の火事の真相が明らかになる
- 学生時代にでオレオレ詐欺に加担して中退している
- 安藤望と事件後に出会っている
「Nのために」の名言
- 下は見ない、上を向く
- 誰も悲しませずに死ぬ事はできるんでしょうか。
- 一緒に帰らん?ただ、一緒におらん?
- 「幸せ」って(自分に)言い聞かせながら、狭い世界で人生終えるなんて嫌よ
- この女がいなけりゃ、この世には何の意味もないと感じたことある?
- 成瀬君は希美より長生きできたらええし、二人も幸せやったらええなぁ
「Nのために」の基本情報&ドラマ情報
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | nのために |
カテゴリー | ミステリー小説 |
著者 | 湊かなえ |
発売日 | 2010年1月27日 |
ページ数 | 256 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4488024556 |
ISBN-13 | 978-4488024550 |
ドラマ「Nのために」は2014年10月17日にTBSで放送スタートし12月19日に最終回を迎えました。榮倉奈々や賀来賢人、窪田正孝など有名な俳優が出演しています。公式サイトに、人物相関図や1話ごとのあらすじがあってわかりやすいですよ。
「Nのために」のあらすじ、ネタバレのよくある質問
Nのためにのよくある質問に回答します。
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