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教科書に載っている舞姫のあらすじと感想をご紹介します。簡単なあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと短く内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりやテスト対策にもぜひお役立てください。
舞姫のあらすじ①
名門の家に生まれ、幼いころから厳しい教育を受けてきた主人公・豊太郎は、役人として働く中で、官長の命令でドイツ留学にいくことになります.
ドイツの美しい街並みや女性たちに心を奪われそうになるものの、自分のすべきことは勉学だと強い気持ちを持って、3年ほどの月日を過ごした豊太郎でしたが、このまま周りの敷いたレールの上をひたすら真面目に走るのみの人生でいいのだろうかという迷いの気持ちもありました。
そんな時に、豊太郎は散歩の途中で、寺院のそばでなく少女・エリスに出会います。豊太郎が声をかけると、彼女は父親が亡くなったのに葬儀をする金もない、ということで泣いていたのでした。そんなエリスを見過ごすことができず、豊太郎は少しでもしのげればとお金を渡します。
それをきっかけに付き合いが始まった2人でしたが、エリスが舞台で踊り子をしていたことで、よくない交際をしているといううわさが流れ、豊太郎は官庁から職を解かれてしまいます。苦しむ豊太郎でしたが、エリスに向かう気持ちを抑えることもできず、2人はますます親密になり夫婦のように一緒に暮らしはじめます。
その結果エリスは妊娠し、新しい生活を夢想しだしますが、豊太郎の気持ちは沈んでいきます。そんな時に、豊太郎は友人の相沢に呼ばれて会うことになります。
相沢は、せっかくここまで勉学をしてきたのだから、将来を無駄にするべきではない、彼女とは別れ帰国するべきだと豊太郎を説得します。
説得に心を動かされた豊太郎は帰国を決め、そのことで罪悪感でいっぱいになります。そして帰国を知ったエリスは絶望し半狂乱の状態となってしまうのでした。
舞姫のあらすじ②
豊太郎は帝国大学を首席で卒業したエリートです。外交官として将来を期待され、ドイツに赴任します。彼は父親を亡くしたため、母のために立身出世を目標にしています。このエリート志向が、この物語の悲劇の始まりです。
ドイツで豊太郎はエリスという女性に会います。エリスはお金がなく、ひょんなことから富太郎はお金を貸し、それが縁で恋仲になります。しかし当時はスパイが暗躍していた時代です。外国人との恋愛はご法度でした。外務省にエリスの存在が発覚し、豊太郎は仕事を失い、母も亡くなり、失意のどん底に落ちます。
そんな時、友人の相沢から仕事を紹介されます。現地の情勢を伝える特派員として、豊太郎はエリスと生活を楽しむことができました。しかし、彼は野心があります。焦燥感に駆られている時、相沢から新しい仕事を紹介されます。
大臣の雑務係です。大臣は豊太郎が女たらしの遊び人かと思っていましたが、彼の優秀で誠実な仕事ぶりを見て、信頼を高めていきました。そして大臣は帰国するときに、一緒に帰らないかと豊太郎を誘います。その時には、エリスのお腹には赤ちゃんが宿っていました。
妊娠したエリスを置いて帰るのは人として恥じることなのか、いや自分には野心がある、と彼の心は揺れ動きます。そして、彼は自分の野心を選びました。豊太郎は狂乱するエリスに手切れ金を渡して、彼女と自分の子を見捨てて帰国します。
最後に彼は、大臣に引き合わせてくれた相沢に感謝しつつも、愛を引き裂かれた原因を作った彼に対して恨めしい気持ちを持っている、と心情を吐露して終わります。
舞姫の全文は書籍で読めます。森鴎外の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
【200字~400字】「舞姫」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
30代女性
作者である森鴎外自身の、自伝的小説とも言われている作品です。ドイツに留学した主人公・豊太郎が、現地で貧しいが美しい少女・エリスと出会い、恋に落ちるまではいいものの、妊娠させた後に捨てて日本に帰ってしまう、というラストなので批判的な意見も多く、「個人の将来」と「自由恋愛」の両立の難しさを感じます。 自由に恋愛できる現代でも、例えばエリート家庭で育つ少年少女が妊娠した・させたといった問題を起こしてしまった時に、そのまま自分の将来は諦めて子育てをしていこうとすぐに選択できる人は少ないのではないでしょうか。
50代女性
明治時代、日本は西欧列強に一員になるべく、優秀な人材を西欧に派遣していました。優秀な外交官、豊太郎もその一人です。彼はドイツで、エリスというドイツ人女性と出会い、恋に落ちます。豊太郎の立身出世をもくろむ野心と、エリスとの恋心で悩む姿が、明治時代の格調高い文で描かれています。読書後に東京の森鴎外博物館に行くと、作者自身の経験が色濃く投影された作品であることに気づかされ、当時のエリートから見た欧米を知ることができます。
舞姫で伝えたかったこと
舞姫を読んだ人に、この本が伝えたいことを考えてもらいました。
伝えたいこと①
自由な恋愛と、縛られているけれども輝かしい将来と、どちらを選択するかというのは難しい問題だと思います。 豊太郎は、相沢を恨む気持ちはあると最後の文章で言っているけれども、もし相沢の提案を断ってドイツでずっとエリスと暮らしていても、それはそれで後悔の残る人生になったでしょう。人生の岐路の選択は本当に難しいということを、本作は伝えたいのではないかと思います。
伝えたいこと②
エリートが海外に行って現地妻を作り、都合が悪くなったらその女性を捨てる、という女性からみたらひどい話ですが、明治時代の男性には理解できたでしょう。明治時代は、だれでも努力すれば立身出世がかなうという時代です。恋愛よりも立身出世の野心、それを優先するのが男の本分、という考え方が伝わってきます。
舞姫の名言・印象に残った一文
舞姫を読んだ人に、名言や印象に残った言葉を聞きました。
- 嗚呼、相沢謙吉が如き良友は世にまた得がたかるべし。されど我脳裡なうりに一点の彼を憎むこゝろ今日までも残れりけり。
- 余は模糊もこたる功名の念と、検束に慣れたる勉強力とを持ちて、忽たちまちこの欧羅巴ヨオロツパの新大都の中央に立てり。
- この間余はエリスを忘れざりき、否、彼は日毎に書ふみを寄せしかばえ忘れざりき。
舞姫のエリスは怖い?悪女?その後はどうなったのか
舞姫のエリスが怖いという意見がありますが、そこにはお金が絡んでいて、気になる場面があります。
エリスが豊太郎と出会い、母の元へ連れてくる場面。エリスの母は最初、豊太郎を拒否します。家の中でエリスと母が言い合いをした後に、母の態度はコロッと変わり豊太郎に詫びます。
つまり、エリスが母に豊太郎がお金をくれると話したのではないでしょうか。力を貸すと言ったが、まだお金を貸すとは言っていない豊太郎を上手く誘導するエリスに少し怖さを感じました。
また、最後にエリスは半乱狂になってしまいます。怖いと思うかもしれませんが、妊娠したまま豊太郎が日本に帰ってしまうので、エリスの心情を考えると精神を病み半乱狂になるのはしょうがないでしょう。
舞姫の作品はエリスが半乱狂になって終わりますが、エリスのその後を書いた書籍があります。気になる方は読んでみてください。
舞姫の基本情報
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | 舞姫 |
カテゴリー | 短編小説 |
著者 | 森鴎外 |
発売日 | 2013年6月21日 |
ページ数 | 224 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4041008433 |
ISBN-13 | 978-4041008430 |
舞姫の英語版書籍
舞姫は英語版の書籍もあります。舞姫単独の本ではありませんが、上記の書籍の中に「The Dancing Girl」として収録されています。
舞姫のあらすじ、ネタバレのよくある質問
舞姫のよくある質問に回答します。
「舞姫」のアニメ・映画・関連動画
「舞姫」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。
「舞姫」は映画化されています。気になる方はチェックしてください。
- 「舞姫」はアニメ化されています。青春アニメ全集で1986年に放送されていました。
- 「舞姫」は舞台化されています。2007年と2008年に宝塚歌劇団が上演。
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