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そして誰もいなくなったのあらすじと感想をご紹介します。短いあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと簡単に内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりにもぜひお役立てください。
そして誰もいなくなったのあらすじ①
アガサ・クリスティの長編推理小説であり、クローズド・サークルや見立て殺人の古典として有名な作品です。クローズド・サークルとは、外界との接触が断たれた状況下で繰り広げられるミステリーのことで、見立て殺人とはその名の通り何か(伝説や童謡、詩など)に見立てて殺人を装飾することを指します。
今やあまり珍しくない要素ともいえますが、最高傑作と名高いこちらの作品は現代でも色あせない完成度。怒涛の展開から目が離せません。
物語の舞台はある絶海の孤島。インディアン島という島に10人の男女が集められ、事件は起きます。島にある邸宅には彼らを招待した人物はおらず、雇われたばかりという夫婦が彼らをもてなしました。この夫婦も、集められた10人のうちの一人だったのです。
年齢も性別も、身分もバラバラの10人の共通点とは…?その謎の答えはすぐに判明します。食後の歓談を楽しむ最中部屋中にある音声が響き渡ったのです。隣の部屋の蓄音機から流れたその音声によると、そこに集められた10人は全員が殺人の嫌疑をかけられているとのこと。
それぞれが犯した殺人について語られるのでした。そしてその日から、邸宅に飾られた不気味な子守唄になぞらえたように一人、また一人と命を落としていき…。
逃げ場がなく助けも来ない孤島で、10人は疑心暗鬼に陥りながら恐怖の時を過ごします。いったい誰が、何のために?最後まで謎が謎を呼び目が離せない、傑作ミステリーです。
そして誰もいなくなったのあらすじ②
イギリスの小さな島の館に、年齢も身分も異なる人々が集められました。彼らを雇用人と妻が出迎えますが、招待した当の本人は姿を現しませんでした。夕食の最中、何処からか室内に物々しい声が鳴り響いてきます。その声は、その場にいる全員を殺人の罪で告発するものでした。
皆が自らの無実を訴え、言いがかりをつけた当事者を突き止めようとします。そして、元裁判官を中心に、事情徴収が開始されました。彼は、死刑判決を故意に出した罪で告発されました。元裁判官が判決を出した事情を述べると、他の招待客も次々に告発内容に関して弁明し始めます。
一通り弁明が済むと、一同は島から如何に抜け出すかを検討します。その時、最年少でもある一人の青年が、酒をあおった直後に即死してしまいます。 彼は、二人の子供を轢き殺した罪で告発されていました。
次の朝には、雇用人の妻が遺体で発見されます。彼女は、高齢の女主人が発作で倒れた際、遺産目当てに放置した罪で告発されていました。
残された者たちは恐怖に怯えながら、朝来るはずの船を待っています。ところが、いつまでたっても船が来る気配がありません。そこで彼らは、自分たちが完全に罠に嵌められたと悟るのでした。
そして誰もいなくなったの全文は書籍で読めます。アガサ・クリスティーの世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
怖い?「そして誰もいなくなった」の感想・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
30代女性
閉ざされた空間で、次々と命を落とす10人の男女たち。いったい誰が、何のために?読み進め、「そして誰もいなくなった」とき、なんとも不気味な恐怖が襲ってきました。この物語に関して、自力で事件の謎を解くことは難しいと思いました。しかし、納得のいく真相がかくされているので読後感は悪くないです。クローズド・サークルに見立て殺人という、エンタメ性に優れたこの作品はミステリーの古典ともいわれ、様々な作品でオマージュされています。国民的人気の某探偵漫画でもありました。会話と心理描写を中心に書かれていて読みやすいので、それこそ普段漫画しか読まないという人も楽しめるのではないかと思います。一度読み始めると止まらなくなりますよ。
60代男性
本作は、ミステリーとしては不朽の名作と言えるでしょう。最初の殺人事件が起こるや、次々に息つく間もなく事件が続きます。そして、物語の顛末には誰もが納得できる展開が待っているわけです。作者は数多くの作品を残していますが、その中でも本作は完璧なミステリーの部類に入るでしょう。昨今ありがちな、過剰な伏線や意味のない恋愛話などが一切ないのも魅力です。淡々と事件が進む中で、読者を引き込める作品こそ本物だと言えます。
「そして誰もいなくなった」犯人の動機を考察
そして誰もいなくなったを読んだ人に、犯人の動機を考えてもらいました。
考察①
作品は会話と心理描写を中心に進んでいきますが、犯人の心理描写はあまりありません。そのことに気が付かないよううまく書かれているので、読み直したときに気が付きました。
そして、彼には過去の罪を後悔しているような心理描写がないのです。私は、犯人の動機は正義を履き違えたこと、もしくは正義に取り憑かれたことだと感じました。
正義と悪は表裏一体であり、極論で語られる正義は悪にもなり得ます。彼は身勝手な正義で悪を執行したのです。
考察②
犯人のウォーグレイヴは、嗜虐趣味のあるサイコパスでした。一方、彼には独特の正義感があり、罪のない子供や動物が傷つけられるのを許せませんでした。
そんなウォーグレイヴにとって、裁判官は絶好の職業だったわけです。但し、彼が9人もの人間を殺害したのは、やはり嗜虐趣味が高じた結果だと言えます。
「そして誰もいなくなった」の魅力を簡単に解説
そして誰もいなくなったの魅力を解説します。
恐怖の演出がすごい
作中に出てくる子守唄がとにかく不気味で、それに見立てて殺されていく恐怖が謎をより深くしています。正直、この見立てにはあまり意味が無く、ただ被害者たち(加害者ともいえますが)に恐怖を感じさせるためだけのものなのですが、ミステリーのスパイスとしては最高です。
タイトルが秀逸
そして、タイトルの秀逸さ。「そして誰もいなくなった」とき、もちろんタイトルなのでそうなることは分かっていたのですが、そしてどうなるの!?とページをめくる手が止まりませんでした。
この事件は、実は作中の世界でははっきりと解決されません。読み手である私たちにだけ、真実が解き明かされるのです。そう、作中の世界ではまさに「そして誰もいなくなった」のです。この静かで薄暗い恐怖も、この作品の魅力のひとつといえるでしょう。
ラストにわかる衝撃のトリック
本作はミステリーの古典ともいうべき作品ですが、結末を知っていながらも毎回引き込まれます。最終場面で一気に謎が解き明かされ、それが読者にカタルシスをもたらしてくれるわけです。
ミステリーの醍醐味は、あっと驚く犯罪の仕掛けだと言えます。犯人が被害者の中にいるというのは、当時としては驚くべき発想の転換だったのでしょう。
原作と日本で放送されたスペシャルドラマの違い
原作とドラマの違いを解説します。
2017年に放送されたスペシャルドラマは現代にアレンジされたストーリーになっており、一夜で事件が起き、二夜で謎解きをする流れになっています。原作の舞台はイギリス・デヴォン州の兵隊島ですが、ドラマ版では日本の孤島が舞台で、登場人物も全て日本人です。
オリジナルキャラクターの警部
また、オリジナルキャラクターである警部を沢村一樹さん、警部補を荒川良々さんが演じています。一夜で事件が起き、二夜で謎解きをするという流れになっているのですが、キャストから想像できる通り、二人のオリジナルキャラクターの軽妙なやりとりが繰り広げられます。
その演出は、ミステリーの古典である本作の重厚さを損なっているといえるのか、親しみやすくしているといえるのか、難しいところです。そして、原作では犯人の告白メッセージが偶然発見されますが、ドラマ版では警部の捜査によって犯人のメッセージが見つかります。
犯人の独白方法
犯人役の渡瀬恒彦さんの演技は素晴らしいのですが、その独白の方法も原作とは違います。演技で魅せるドラマならではというか、人物像からすると少し違和感があるような…。
また、そのことで作中の世界でも真実が明るみに出てしまうので、「そして誰もいなくなった」という原作の薄暗い魅力もなくなってしまいました。スペシャルドラマは色々な意味でライトな印象です。
「そして誰もいなくなった」の基本情報|英語版書籍はある?
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | そして誰もいなくなった |
カテゴリー | 推理小説 |
著者 | アガサ・クリスティー |
発売日 | 1939年11月6日 |
ページ数 | 387 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4151310800 |
ISBN-13 | 978-4151310805 |
「そして誰もいなくなった」の英語版書籍
そして誰もいなくなったは英語版の書籍もあります。
「そして誰もいなくなった」のあらすじ、ネタバレのよくある質問
そして誰もいなくなったのよくある質問に回答します。
「そして誰もいなくなった」のドラマ・映画などの関連動画
「そして誰もいなくなった」のドラマ・映画・関連動画をご紹介します。
「そして誰もいなくなった」は海外や日本でドラマ化されています。有名なイギリスドラマは次のとおり。
日本でスペシャルドラマとしても放送されました。仲間由紀恵や向井理など豪華キャストがそろっています。
「そして誰もいなくなった」は1945年に映画化されています。気になる方はチェックしてください。
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