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ノルウェイの森のあらすじと感想をご紹介します。簡単なあらすじを知って興味を持ったらぜひ、書籍をお読みください。
サクッと内容の把握ができるので、読んだことがない人でもすぐ語れるようになります。会話の話題づくりや読書感想文にもぜひお役立てください。
ノルウェイの森のあらすじ
37歳の主人公・ワタナベは、ある日乗っていた飛行機の中のスピーカーから聞こえてきた「ノルウェイの森」のメロディーに非常に心が揺さぶられます。それはかつての彼の青春時代を思い起こさせる曲だったのです。
彼は高校時代の親友・キズキを自殺で亡くしていました。まだその傷が癒えない中で、彼とかつてのキズキの恋人・直子は大学進学のため上京します。彼らはその喪失感からお互いを必要としていましたが、直子はずっと傷ついた心のバランスを保てないままでした。
デートを重ねていた二人は、ある時体を重ねますが、その後すぐ直子の行方がわからなくなってしまいます。その後、直子から手紙が届き、彼女は精神療養の施設に入ったということがわかります。
直子がいなくなり、ワタナベは大学で出会った生き生きとした少女・緑と出会います。緑と多くの時間を一緒に過ごすようになり、心を通わせるようになった2人でしたが、ワタナベの心の中にはまだ直子のことが引っかかっていました。
そのためワタナベは「少し待っていてほしい」と緑に伝えます。直子とじっくり話そうと、ワタナベは彼女のいる施設を訪ねます。そこで直子の世話で少し年上のレイコさんという女性に出会います。その夜は三人で過ごし、色々な話をして過ごしました。
その後東京に戻って緑と会いますが、なかなか態度をはっきりさせないワタナベに腹を立てているようでした。そして大学生活に戻り、緑や先輩の永沢と交流しながら静かな生活を送るワタナベでしたが、レイコさんからの手紙で、直子が体調不良ののち自殺したことを知らされます。
ワタナベはその後しばらく旅に出て、キズキや直子に思いを馳せて過ごします。そして心の整理がついたところで、緑に「ようやくけりが付いた」と電話しますが、緑は「あなたは今どこにいるの」と問いかけます。ワタナベは、「僕は今どこにいるのだ」とつぶやくのでした。
ノルウェイの森の全文は書籍で読めます。村上春樹の世界観を存分に感じられるので、ぜひ読んでみてください。
author:執筆者:高橋渉
気持ち悪い?「ノルウェイの森」の感想文・口コミ
【感想・評判調査概要】
調査対象:本書を読んだ人
調査手法:インターネット回答
30代女性
村上春樹作品にしては珍しいリアリティー小説です。友人を自殺という形で亡くしてしまった主人公と、ガールフレンド・直子の、喪失感や現実を取り戻そうともがき苦しむ姿がとても印象に残りました。少しグロテスクとも思えるようなセックスの描写があるため好き嫌いの別れる作品ですが、個人的にはそこはあまり重要でなく、セックスはきっかけや手段にすぎないと思いました。大切な人を亡くしたことでの心のバランスの崩れや、それを乗り越える者と乗り越えられなかった者の描写は、心がまだ敏感だった青春時代を思い起こさせ、とても胸に来るものがありました。
40代男性
村上作品の中では、一種独特な作品で、いたって現実的な世界だけを描かれているのが特徴的です。なので、村上作品入門にはちょうど良いように思います。その現実において、生(性)と死のありようが描かれていて、死は非日常的なことでもなければ、生の終わりでもなく、それは生の一部として、人間は常にそれを抱えながら生きていくのだという、作者の考え方が作品全体にわたって描かれています。性描写もあるので気持ち悪いと言う人もいますが、それも人間の生の一部として目をそらすことはできないものなので、それも含めて読んでいくことが大切だと思います。
ノルウェイの森は何が言いたい?作品が伝えたいこととは
ノルウェイの森を読んだ人に、この本が伝えたいことを考えてもらいました。
伝えたいこと①
青春時代に心のバランスを崩してしまうことは、大なり小なりよくあることだと思います。どうしても「生き続ける」という方向に進めずその道を自ら断ってしまう人もいます。この作品ではそんな人が何人も出てきますが、主人公は彼らを止められず、それでも生きることを続けていきます。生きることをやめてしまう人もいて、それを止められないのはどうしようもないこと。それでも生きていくことを選ぶべきだというメッセージを、私はこの作品から感じました。
伝えたいこと②
この世界においては、明確なことなど何もない、対極的に考えられている生と死においても、それらを明確に分割して考えることはできないだろうということを伝えたかったとおもう。現代社会は西洋科学的な考えによって、事実か否か、現実か空想か、等の二分割をすることが正しいことであり、事実や現実のみに目を向け過ぎていることによって、生きづらさを感じている人たちへのメッセージでは無いか。
ノルウェイの森の最後のセリフを考察
ノルウェイの森のラストのセリフを解説します。
緑のセリフの考察
個人的に、緑からワタナベへの「どこにいるの?」というセリフは、死に近づきすぎてしまったワタナベの心の居場所を聞いているような気がしています。すべてけりが付いたと言って言葉では緑を求めているものの、緑としては本当にこれでワタナベは自分の元に来るのか、疑問でしかない心境なのではないかと思うのです。
ワタナベのセリフの考察
「僕は今どこにいるのだ」このセリフはまさに、この作品の作者の思いを表現している一言だと思います。今、自分が、どこにいるか、それは現実的な情報だけを考えればすぐに理解できることですが、そんな現実にはさほど意味がなく、そして、それもまた不確かな情報であり、この世の中には、確かなこと等何もない。
だから、自分が今どこにいるのか、ということは誰にもわからないし、そういう疑問を持ち続けるということが生きることであり、その不確かさに耐えることが生きるということであるというメッセージ。
ノルウェイの森の基本情報
作品の詳細 | 内容 |
---|---|
作品名 | ノルウェイの森 |
カテゴリー | 恋愛小説 |
著者 | 村上春樹 |
発売日 | 1991年4月1日 |
ページ数 | 269 |
言語 | 日本語 |
ISBN-10 | 4061848925 |
ISBN-13 | 978-4061848924 |
ノルウェイの森の英語版書籍
ノルウェイの森は英語版の書籍もあります。
ノルウェイの森のあらすじ、ネタバレのよくある質問
ノルウェイの森のよくある質問に回答します。
「ノルウェイの森」の映画はひどい?
「ノルウェイの森」の映画の関連動画をご紹介します。
「ノルウェイの森」は映画化されています。気になる方はチェックしてください。
映画の内容がひどいという口コミがありましたが、村上春樹の小説の世界観と一致していない、原作の登場人物とキャストのイメージが合わなかったいう内容が多かった印象です。人によって感じ方は異なるので、小説の映像化は難しいですね。
また、ラブシーンが多いので映像化すると想像と違い、生々しく感じて気持ち悪いという声もありました。
一方で良い口コミは、映像が綺麗で時代の空気感を再現しているという内容がよく見られました。
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